時間よ、とまれ。

そもそも時間とはなにか。大昔から、科学における最大の難問の一つとして扱われている問題です。 決定論的ならびに確率論的微分方程式、熱力学的観点などなど、この時間というのは各分野においてそれぞれ別の意味を持っていたりしますし、統合的且つ厳密な定義は未だされておらず、ひらたくいうと、具体的になんであるかはまだ、わかっていません。
それでも確かなことがあります。時間は止められない。

毎度のことですが、ゲームを作るうえではいつも、やりたいことが満載です。それはもちろん今回も例外ではなく、企画当初にはそれこそ、あれもこれもといろいろな仕様案が出ましたし、制作期間や人員リソースなどに鑑みてそれらをふるいにかけ、期間内に完成可能且つ、最も大事なユーザーストーリー(当該商品からユーザーが受け取れるメリット)を構築していきました。そしてそれらの制作論法をまとめたらスケジュールに反映し、可能な限りその通りに作業を進めていくわけですが、それでもやはり、どうしても時間が足りなくなる。

その理由としては、制作途中で起こる予期せぬ問題や、そのために必要になる仕様変更、修正作業などが挙げられますが、もう一つの大きなものとして、こだわりたい=こうしたいああしたい、という気持ちが次から次に湧いて出てくる、というものがあります。
これのおかげで本来2時間で終わるものが5時間も6時間もかかるようになることもあるものですから、本当に時間が足りない。手間の問題ならまだいいのですけど、これがツールやスキル不足なの問題も内包してくると、もっともっと足りなくなってくる。
理想を高く持つのはいつの世であっても大事ですけど、それにも限度ってものがありますからね、我々プロの世界では、それをいかにして時間内に作り上げるかが問われているのであり、僕らはそれを忘れてはいけません。

だからといって現実に傾倒し、手間を恐れるばかりなのはもっとダメですから、ここで時間的な問題が圧倒的勢力を以て増大してきて俄然、悩ましくなってくるわけです。いや本当に、我々の開発って「ここはこうじゃなきゃダメでしょ」、「そんな手抜きはイカンでしょ」とか、みんなして言い合っているのですよね。
弊社のように、勝手知ったる仲どうしでの開発においてはそれがより顕著で、各担当それぞれが後顧の憂いというか、後悔なんてもう、1ドットたりとも残したくないものですから、いつも最後のギリッギリのキワキワまで作業になっちゃって、その後が怖いことになるという。いやもうホント、いつも時間足りない。時間キライなんですよね。要するに止まればいいわけです。
とはいえそれは無理なので、自分が会社に泊まりましたけども。そういうやり方の是非はともかく、その甲斐あってやりたいことはだいぶん詰め込めたので、プレイされるときには端々まで見て頂けたらうれしいですね。あちこちにネタ満載だったりして、きっと楽しいですよ!

ユーザーに楽しんでもらうのは僕らにとって最も大事なことですけども、僕らが作ってて楽しいというのも、ゲーム作りの上ではすごく大事なことと思うのです。そしてその大敵はいつも時間。止めることはできなくても、1日がせめて36時間あったらいいのにと思います。

コットンゲーム内画像

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2020.12.19

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