「ファミコン」ケーブルのすべて
【令和最新版!】
みなさんこんにちは、BEEPスタッフです!
1983年に登場し、その斬新さとゲーム面白さから国民的ゲーム機となった『ファミリーコンピューター』ことファミコン。
今でもご自宅に眠っている方もいると思います。
2025年現在、『Nintendo Switch Online』や復刻版、はたまた互換性のあるサードパーティーのゲーム機で気軽に遊べるようになりました。
しかし、すべてのゲームを遊ぶことができるわけではありません。
お手元にある思い出のカードリッジや、買った人だけが知っている隠れた名作を遊ぶためにやはり実機は不可欠ですよね。
この記事では、各種ファミコンケーブルの概要や選び方、保管のコツなどを解説・ご紹介したいと思います。
基本情報からニッチな情報まで網羅していますので、ぜひお付き合いください!
ファミコンケーブルの基本情報
◆ファミコン用ケーブルの種類と役割
・RFスイッチ(VHF/UHF入力)
初代ファミコンの接続方法といえば、この「RFスイッチ」が標準でした。
RFスイッチは、テレビのアンテナ端子に接続して映像・音声信号を送るために使われる機器です。
当時は現在のような映像入力ポートがなく、古いブラウン管テレビでは一般的でしたが、現在のテレビではほとんど使われることはありません。
初期のファミコンを始めとした、アンテナ入力しかない「最初期」のレトロゲーム機では必須となる場合があります。
アンテナの端子は年代や機種によって異なり、L型コネクタ、F型接栓、フィーダー線等、テレビのコネクタに合わせた様々な方法があります。
・AVケーブル(RCA/コンポジット端子)
現在でも見かけることがある、コンポジット端子(赤・白・黄)の三色のケーブルです。
HDMIにバトンタッチする『WiiU』の時代まで、長きにわたって標準的な映像出力端子でした。
ファミコンにおいては、両サイドがコンポジット端子になっている一般的なタイプと、片側に任天堂ハード専用のコネクターがついているタイプに分けられます。
現在のテレビでも、概ね搭載されている端子なので、こちらを優先するのが良いでしょう。
◆ニューファミコンやツインファミコンにも対応するケーブルとは
先述したAVケーブルが対応している機種としては以下のものがあげられます。
長い間任天堂ハードの共通規格として採用されていたため、複数のゲーム機に対応しています。
簡単に「表」としてまとめていますので参考にしてみてください!
◆『ファミコンミニ』を始めとしたニンテンドークラシックミニについて
「ファミコン」や「スーパーファミコン」の復刻版である、「ニンテンドークラシックミニ」シリーズはHDMIが標準搭載されています。
カードリッジは刺せませんが、現代のテレビやPCのモニター等ですぐにあそぶことができます。
電源供給もUSBで行うため、特別なものは必要ありません。小さいので持ち運びもしやすいです。
収録しているソフトも多く、メジャータイトルが網羅されているため、実機にこだわりがなかったり、手軽にファミコンを楽しみたい方に向いています。
◆海外版本体について
海外版のファミコンである『NES(Nintendo Entertainment System)』についても言及しておきます。
NESにはファミコンではリリースされなかった海外限定のソフトや、日本版から大きく変更されている要素があるゲーム等ありますのでマニアなら押さえておきたい部分です。
ソフトがエリアリージョンによって、日本の本体では動作しない為、遊びたい場合は海外本体が必要になります。
初代NESはRFスイッチによる接続に加えて、「AVケーブル」の端子が標準搭載されています。
ただし、リリースされた地域によって映像出力方式が異なるので購入の際は注意しましょう。
・NTSC方式(北米版)
アメリカ圏を中心に展開された本体は、日本と同様の映像出力方式を使用している為、日本のテレビでも基本的には動作します。
一般的なAVケーブルを接続することでそのまま遊ぶことができます。
ただし、厳密には地域ごとに周波数や電源仕様が異なる場合があるため、変圧器や互換性のチェックを行うと安心です。
また、海外版のニューファミコンである「New-Style NES」は、日本とは逆で「RF出力」のみ対応の為、注意が必要です。
・PAL方式(欧州版)
イギリスを中心としたヨーロッパ圏で展開された本体は、異なる映像出力方式を使用しているため対応しません。
動作させるためには、PAL→NTSCの変換機(コンバーター)が必要になります。
また、コンセント形状や電圧も異なり、プラグ形状と電圧を変換する変圧器(トランス)や変換アダプターが必要になります。
仮に、出力に成功してもカラー表示が正しくされないなどの問題が起こることがあります。
ソフトについても、日本のファミコンはもちろん、北米NESでも動作しないため購入する際はしっかりと確認しましょう。
電源供給について
◆ACアダプター(HVC-002)
ファミコンとスーパーファミコンで使用するACアダプターです。
※バーチャルボーイも専用アダプターを取り付けることで使用可能です。
ちなみに、ディスクシステム用のACアダプター(HVC-025)とは異なる為、誤って購入してしまわないようにしてださい。
正規品のACはプラグ部分が重くて巨大なので圧迫しやすいデメリットがあります。環境的に厳しい場合は、互換品の購入も検討しましょう。
複数のレトロゲームに対応していることもあるので、1つ持っておくと便利です。
ただし、電圧や極性の誤差が大きいアダプターを使うと不安定な動作や本体の故障につながることがあるため、正確なスペックを確認することをオススメします。
◆USB給電について
サードパーティー製にはなりますが、USB供給するためのプラグがリリースされています。
電圧さえ足りていれば、スマホの充電器やPCから給電することができるため、コンセントタップを圧迫せずに済みます。
場合によっては、モバイルバッテリーなどから電源を取ることが可能となるため、持ち運びをすることも夢じゃありません。
現代のテレビとの接続方法と活用
◆基本はAVケーブル接続
ファミコン本体と現代のテレビをつなぐ最も一般的な方法はAVケーブルを使うことです。
テレビ側のコンポジット端子(赤・白・黄)にそれぞれ挿し込むだけで接続が完了し、直感的で間違うことはないでしょう。
もしテレビ側にコンポジット端子がない場合は変換アダプターなどが必要になりますので、ご使用のモニターの接続端子を確認しましょう。
◆モノラルとステレオ音声出力に適したケーブル選び
スーパーファミコンのリリースの際に登場した、専用コネクターがついているタイプのAVケーブルです。
「ステレオAVケーブル」と「モノラルAVケーブル」の2種類があります。
ファミコンで使用する際は、モノラル出力にしか対応していませんが、他のハードでも使えるので、こだわりがなければステレオ優先でよいでしょう。
ツインファミコンやNESに関しては、モノラル前提のコンポジット端子になっているため、よりわかりやすいです。
一般的な商品になるので、インターネットを始め、100円ショップや家電量販店で購入できます。
◆多彩な接続方式について
・S端子ケーブル
日本ビクター(現・JVCケンウッド)から発表された、AVケーブルの高画質対応の端子です。
現在ではHDMIに移行しているため、コネクター自体存在しないテレビも多くなっています。
通常のコンポジットよりも鮮明ではありますが、S端子の接続ポートがない場合は端子付きの変換機(コンバーター)が必要になります。
通常のAVケーブルよりも映りが良くなりますので、配信や録画が必要であれば選択肢に入るでしょう。
・RGBケーブル(21ピン)
90年代を中心にゲーム機やPCで用いられた方法で、音声と映像出力を同時に送ることができる画期的なものでした。
当時のモニターで鮮明に映し出したいといった需要があるため、レトロゲーム愛好家には人気がある接続方法です。
そのため、公式のケーブルは非常に高額になっています。
変換ケーブルの活用と高画質出力のメリット
◆古いケーブルを変換・代用する方法
・HDMIケーブル
コンポジットからHDMIに変換するためのコンバータもサードパーティーから販売されています。
機種によっては、別途コンバータ側でも電源供給が必要なモデルもありますので確認しましょう。
ちなみに、HDMIには映像出力方式の区分けがないため、モデルによってはNTSC/PALの変換機としての機能を持っている製品もあります。
ツインファミコンやNESのように、コンポジット端子がついているタイプに変換器を反さずに直接接続できる、HDMIの変換ケーブルもあります。
・RGBケーブル(VGA)
古めのPCモニターを使用している場合は、HDMIのポートがついていない場合があります。
その場合はVGAに変換するコンバータを使用しましょう。
端子の仕様上、VGAは「映像のみ」のコネクターになるため、別途スピーカーやイヤホンが必要になります。
また、相性や質が悪いものも存在するので、レビューを参考に導入を検討するとよいでしょう。
・RFコンバータ
初代ファミコンは、RFユニットのみ対応しています。
後ほど列挙する方法は敷居が高いため、RFをHDMIに変換するコンバータを利用するのも手です。
ただし、こちらのRFのタイプが欧州圏の「PALコネクター」になっているので、別途F型に変換する必要があります。
◆有識者やマニア向けの方法
・RFケーブルを自作する
ACケーブルとアンテナプラグ、適切な抵抗をもつコンデンサーがあれば、自作することも可能です。
電気工作の知識が必要ですが、うまく作れればノイズの少ないケーブルの作成も可能です。
非常に魅力的な方法ではありますが、誤った接続は機器の故障につながる可能性がある為、下調べをしっかり行ってから挑戦するようにしてください。
しかし、もう今は地上アナログ放送は行われていないので、テレビ放送とゲームの切り替えが必要ありません。なのでRFスイッチを使わなくても写真のように黄色のビデオケーブル1本とアンテナに繋ぐF型端子1個で簡単にアンテナに繋ぐためのRFケーブルを自作することが出来ます。 #なりカル pic.twitter.com/EV7nOI0UeL
— 缶コーラ (@kan_chan7) June 27, 2019
・AVケーブル対応のための改造
初期型のファミコンなどAV端子が無い機体では、内部回路に手を加えてAV出力を増設する改造が行われることがあります。
専用の改造Kitが販売されていることもあります。場合によってはHDMIが標準搭載されていたりもするため、比較的容易に高画質化ができます。
いずれにしても上級者向けの方法になりますので、趣味として楽しみたい方は自己責任で行うようにしましょう。
お友達の依頼でファミコンをビデオ端子対応に改造しました✨
— taka@Retro_Gamer「アルマナのタカ」 (@taka_retro_g) January 10, 2025
久々やけど一発でイケました👍
ファミコンAV化改造はこちらを参考にさせて頂いてます
いつもありがとうございます🙏https://t.co/pFBD6AQpkx pic.twitter.com/x8WIdhb6Gm
・ビデオデッキを使用する
ファミコン世代であればなじみ深い家電として、「VHSビデオデッキ」があります。
DVDやBlu-rayが登場する前に、広く普及していた媒体で、録画等の関係からRFやコンポジット入力ポートがついていることが多いです。
そのため、ビデオデッキを反して出力すれば、コンバータよりも遅延が少なく画面出力することが可能です。
ちなみに、ビデオデッキを経由すればRFスイッチを使う初代ファミコン、白PC エンジン、スーパーカセットビジョンも3色ケーブルで繋げられるようになります👍✨#レトロゲーム #ファミコン pic.twitter.com/L5oeBqsKer
— クロムクロム (@retrogamehearts) April 24, 2023
ファミコンケーブルの購入ガイド
◆純正品とサードパーティ製品の違い
現行のニンテンドースイッチはHDMI出力になってしまったため、純正品は発売されていません。
よって、新品で入手したい場合は基本サードパーティーから発売されている互換品を購入する必要があります。
初期不良等を除いては遜色なく使用できるためこだわりがなければ互換品で問題ないでしょう。
当時品を新品で買おうとすると、コレクター需要のために非常に高額な金額になる場合があるため、遊ぶだけであれば優先度は低いです。
◆新品・中古品の選び方とポイント
純正品を購入する場合は、必然的に中古品になるかと思います。
幸いファミコン時代からゲームキューブ時代までにわたって発売されているため、母数事態は比較的多いと言えます。
劣化や断線が心配であれば、ゲームキューブ時代に発売したものを買うのがいいでしょう。
公式のものは専用のコネクタに「Nintendo」の印字があり、「黒」もしくは「灰」のカラーリングになっています。
「黒」のものが、ゲームキューブ時代にリリースされた比較的新しいものになります。
リサイクルショップ等のワゴンにある「ジャンク品」は、被覆が裂けていたり、接触が悪い場合があるのでリスクを承知で購入するようにしましょう。
◆RFモジュレータについて
「絶対にRFでやりたい」という奇特な方はなかなかいないとは思いますが、専用のコネクタ用の「RFモジュレータ」がSFC時代からN64時代にかけて販売されています。
こちらは、ゲームキューブまでであればRF出力に対応している為、レトロ感を重視したい方やGCにおけるRF画質を検証したいマニア向けです。
なお、ツインファミコンだけは専用のコネクターのRFスイッチが別途必要となります。
ケーブル選びのポイントと注意事項
◆ケーブルの長さや互換性の確認ポイント
サードパーティー製のメリットとして、様々な長さのケーブルがリリースされていることがあげられます。
純正のケーブル(175cm)だと取り回しの悪い場合は、300cmのロングケーブルも存在するためそちらを選ぶのも方法です。
また、純正品以外すべての互換機やコンバータに言えることですが、正規の方法ではないので動作保証はできません。
あくまで、自己責任で行う必要があります。
不安がある場合は、保証がしっかりしている製品を選んだり、任天堂公式が提供している方法を優先したほうがいいでしょう。
◆接続不良や電源供給不足などのトラブル対策
ケーブルや機器同士の相性が悪い場合、ノイズや画面異常が現れる場合があります。
安価になると、映像の遅延が起きてしまいゲームのプレイに影響を及ぼします。特に録画等する場合は慎重に選びましょう。
逆に、高額なモニタ、キャプチャーボード、コンバータになると、ノイズ軽減機能がついていたりする場合があるので、予算に応じて比較検討をしましょう。
ただし、ファミコン自体が非常に古いゲーム機なので、根本的にゲーム機本体が原因である場合もあります。
どうしても気になる場合は、ゲーム機側に補正機能がついている互換機の購入を検討したほうが良いでしょう。
◆よくあるトラブルについて
ケーブルのトラブルであげられやすい症状は主に3つあります。
・「接触不良」
ケーブル表面やコネクタ部分に付着したホコリや汚れが影響し、ノイズや画面の乱れ、描写不良が起こる状態のことです。
・「加水分解」
ケーブル皮膜が水分によって化学反応することで劣化を引き起こして、表面がベタベタしてしまう状態のことです。
・「断線」
ケーブルをまとめたり、引っ張ったりするうちに、物理的に劣化し皮膜内部の導線が切れてしまう状態のことです。
それぞれの対策について紹介したいと思います。
ケーブルの保管・メンテナンス方法
◆おすすめのメンテナンス方法
極度に認識が悪い場合は、電極部分の酸化が激しい場合は接点復活剤を少量使うなどすると改善します。
ただし、薬剤の過度な使用は逆効果になる場合があるため、容量用法をしっかり守りましょう。
定期的に無水エタノールやアルコールでの拭き掃除を心がけていれば、皮膜の劣化の進行は遅らせることができます。
お手入れの際は、気合を入れすぎて断線しないようにやさしく丁寧にふき取りましょう。
素材や製品が未使用であっても加水分解は進行するので、あくまで寿命を伸ばすための措置であることを留意してください。
ケーブルを丸める際は、無理に折り曲げたり結束バンドできつく縛りすぎないようにしましょう。
優しく円形にまとめることで、内部の銅線に過度な負荷がかかるのを防止できます。
また、ケーブルを束ねる際は「ケーブルクリップ」や「スパイラルチューブ」等で、ケーブルへの負荷を軽減できるように対策しましょう。
その上で、被覆が裂けてしまっていたり、被膜のべたつきがひ酷くなるようであれば交換時期といえるでしょう。
◆長持ちする保管方法と注意点
水分が発生しうる原因としては、主に湿気が発生してしまうことだと思います。
日本は世界的にみても湿度が高い国ですから、保管場所は低温低湿な場所を選び、こまめに換気できる環境が望ましいです。
押入等であれば、「水とりぞうさん」を始めとした除湿剤の交換は怠らないようにしましょう。
ただし、あまり乾燥しすぎても被膜がパリパリになってしまったり、埃の影響で誤動作を引き起こすため、適度な環境を保つことが重要です。
ACアダプターは、差込したままで運用する場合は、電源のオンオフが切り替え可能なマルチタップの仕様を推奨します。
常に通電状態なのは本体にも負荷をかけますし、火災の原因にもなります。
タップの複数使用(タコ足配線)も注意してください。実際の火災事例も上がっています。
接触が悪い場合やアダプター本体の異常な発熱は、感電や発火の危険も無きにしもあらずですので、すぐに対策や交換をしましょう。
特にレトロゲームの「ACアダプター」は大半は巨大で密接しやすいので、対策として短い延長コードでAC同士の距離を引き離す方法があります。タップも圧迫しないのでオススメです。
◆ケーブルセレクタ(ビデオ切替器)の導入
ゲーム機をコレクションしていると、複数台のゲーム機を一か所に固めて運用することが多くなります。
ケーブルの頻繁な抜き差しや、ケーブル同士の絡みは劣化の原因になりやすいです。
特にケーブルの差込口が機器の奥まった部分にある場合は、ケーブルの根本が曲がってしまい、断線のリスクも高まります。
ですので複数台で遊ぶ機会が多い場合は、切替器の導入も検討してみてください。
切替器の入力端子にコンバータを通せば、複数のレトロゲーム機を1つのコンバータで済ませることができますし、遊ぶ際も快適になります。
あわせて、しっかりとケーブリングすることでケーブルや機器の寿命の延長にもつながります。
ファミコンケーブルのまとめ
ファミコンケーブルを選ぶ際は、本体やテレビの端子仕様をまず確認したうえで、必要な長さや画質・音質に合った選択をしましょう。
レトロ感を重視するならRFやモノラル接続、より快適なプレイを求めるならAVやHDMI変換など、スタイルに応じてさまざまな選択肢があります。
それぞれの特性や利点を把握して、懐かしくも新しいファミコンライフを送ってみてはいかがでしょうか!?
それではまた次回!さよなら、さよなら、さよなら~
レトロゲーム・レトロPC専門店BEEPでは任天堂のゲーム機の買取を強化しています。任天堂に関するコレクション整理・売却をお考えでしたらぜひご相談ください!
任天堂ハードの買取については以下のページをご参照ください。