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アイテム情報
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■発売日
1988年11月10日■概要
「東方見文録」は、1988年11月10日にナツメから発売されたファミリーコンピュータ用アドベンチャーゲームです。
■ストーリー
東南アジア大学歴史工学部旅行学科でシルクロードにおける素粒子の分裂による時空間旅行を研究していた主人公・東方見 文録。代々商人の家の生まれた文禄の夢は、代官山で日本一の雑貨屋を営むことでした。
日本が“ジパング”と呼ばれる黄金の国と確信した文録は、雑貨屋開業の資金を稼ぐためと憧れのマルコ・ポーロのお供をするために、タイムマシンで1275年のベニスへと旅立ちます。
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■評価
“ニューウェーブ・サイケデリック・アドベンチャー”というジャンル名の通り、イカれた登場人物とイカれたセリフとイカれた展開で、プレイする人を暗黒の不条理空間へと叩き込むファミコンにあるまじきカルトゲームとしての評価を得た問題作です。アドベンチャーゲームなのでネタバレは避けますが、最終章に入ると急に物々しさが加速し、衝撃的なラストを迎えることになります。好き嫌いが見事に真っ二つに分かれること間違いなし。
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■当時のエピソード
シナリオテキストがなかなかに不穏であることでも知られる本作ですが、とある非売品コレクターの方が本作の開発途中のサンプルカセットで検証を行ったところ、製品版など比較にならない過激な文言のオンパレードで、いきすぎたグラフィックもかなりの数が自主規制されていたことが判明します。製品版も大概ですがこうなってくると是非とも開発版をプレイしてみたくなるのが人情というもの。
ナツメ(現ナツメアタリ)には現行機への移植をお願いしたい……ところですが、ファミコン時代でも無理だったものがコンプラガチガチの現代では到底叶うはずもなく、カルトゲームファンのストレスは益々(無駄に)溜まってしまうことになるのでした。