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アイテム情報
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■発売日
1990年11月2日■概要
「山村美紗サスペンス 京都財テク殺人事件」は、1990年11月2日にヘクトから発売されたファミリーコンピュータ用アドベンチャーゲームです。主人公と親友2人が京都・南禅寺で久しぶりに待ち合わせをしていたところ、近くでそのうちのひとり・ゆみこの死体が発見されます。
親友が殺された理由を探る為、主人公は事件を探り始める……という2時間ドラマ的な強引な導入から物語はスタートします。
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■ゲーム内容
ゆみこが持っていた証券会社のボールペンから話は株取引の方へと進んでいくのですがファミコンのメインターゲット層を考えるとちょっとかけ離れた内容と言わざるをえません。コマンド選択で進むアドベンチャーゲームはじっくりと物語を楽しむには適していますが、その反面地味でもあり、これも対象層を狭めていると言えるでしょう。
“財テク”(財務テクノロジー)も80年代後半のバブル経済時に注目された流行語で、現在はほぼ死語化しているあたりもやや香ばしいです。
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■評価
ゲームを開発したのはゲーム開発大手のトーセ。この“山村美紗サスペンス”シリーズは「京都龍の寺殺人事件」「京都花の密室殺人事件」(ともにタイトー)がファミコン用として発売されており、本作はその3作目にあたります。日本ミステリー界の女王と呼ばれ、数多くのミステリー作品を遺した山村美紗は、このほかにもPCエンジンで「金盞花京絵皿殺人事件」、3DOとPSPで「京都鞍馬山荘殺人事件」、ニンテンドーDSで「舞妓小菊・記者キャサリン・葬儀屋石原明子 古都に舞う花三輪 京都殺人事件ファイル」とゲーム化作品が多い作家としても知られています。
■評価
本作は京都が舞台ですが、山村美紗も京都の出身です。さらにトーセも京都に本社を持つ企業で、京都つながりでがっちりタッグを組んだ作品と見ることもできます。ゲームのパッケージとカセットのシールには夕陽のシルエットが映える五重塔が描かれていますが、トーセが開発を担当した最初期のアーケードゲーム「サスケVSコマンダー」(SNK)でも忍者が飛び交う月夜の背景として五重塔が描かれています。このミステリアスなリンクも注目です。