ファミリーコンピュータ『パロディウスだ！』

「パロディウスだ！」は、1990年11月30日にコナミから発売されたファミリーコンピュータ用横スクロールシューティングゲームです。

コナミの大ヒットシューティングゲーム「グラディウス」をベースとして、自社ゲームタイトルからのプレイヤーキャラクターを複数用意、ステージにも趣向を凝らしたパロディ要素を散りばめたコメディ系シューティングです。

原作に当たるアーケード版「パロディウスだ! ～神話からお笑いへ～」の発売が1990年4月で、半年ほどでファミコン移植を果たしています。
ちなみに「パロディウス」シリーズとしてのスタートは1988年に発売されたMSX版「パロディウス ～タコは地球を救う～」です。

本作のゲームシステムはほぼアーケードを踏襲し、オプションも4つ装備可能。
ファミコンの能力的な限界もあり、処理落ちやチラツキなどはやむないところですが、プレイフィールはさほど損なわれていません。

どうにか原作に近づけようとする姿勢と高い技術力、そしてオリジナルステージをも盛り込み少しでもプレイヤーを楽しませようとするサービス精神はコナミ開発陣の面目躍如といったところ。

「パロディウス」シリーズには幅広い層に楽しんでもらうための仕掛けとして“お色気”要素も盛り込まれているのが特徴です。

ですが、ファミコン版となるとその点には十分な配慮が必要となるため、2面に登場するド派手なサンバ衣装に身を包み、腰を扇情的に振りながら迫ってくる“Miss神戸ちちびんたリカ”が、クラウンのような衣装の露出度低めな女性キャラ“ミス・ミシタリーナ”に差し替えられています。

この交代劇に当時の熱烈なファンは厳しく批判したと伝えられますが、技術的・倫理的な制約の中でも「見したりぃな！」というキャラ名で笑いに変える心意気には打たれるものがあります。

しかも、1991年4月5日発売のゲームボーイ版「パロディウスだ！」では、数々の苦難を乗り越え“ちちびんたリカ”が復活。見事な腰振りを披露しています。
プレイヤーの飽くなき欲望に応え続けるこの時代のコナミの執念も相当なものです。