アイテム情報
「ジャストブリード」は1992年12月15日にエニックスから発売されたファミリーコンピュータ用シミュレーションロールプレイングゲームです。
ランブルビルという国に伝わる聖なる石のひとつ・サファイアの加護を受けた町アストホルムで、聖なる石を受け継ぐ司祭の家系の少女フィリスが、年に一度のサファイア祭りの儀式を行うことになります。
儀式は無事終わりますが、フィリスと幼馴染の守備隊長である主人公と一緒にいたところに突如として怪物が出現、フィリスをさらって行ってしまいます。
主人公は残されたサファイアを手に、守備隊の仲間と共にフィリスを救う旅に出るのです。
ストーリーも王道なら、ゲームシステムもエニックスの作法を守った王道中の王道。
メインスタッフも、シナリオにコラムニストの佐藤克之(カーツ佐藤)、音楽は熱い名曲アニメソングを生み出してきた作曲家・田中公平、キャラクターデザインに「3×3 EYES」「碧奇魂ブルーシード」の漫画家・高田裕三と実力派を揃えています。
プログラムを担当したのは「森田のバトルフィールド」「アルフォス」で知られる森田和郎率いるランダムハウスです。
盤石な体制でリリースされた本作ですが、いかんせん時期が遅すぎたと言えるでしょう。
スーパーファミコンで「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」が発売されたのが1992年9月27日。本作発売のわずか3ヶ月前です。
知名度も得られぬまま沈んでいった不幸なタイトルではありますが、素性の良い遊びやすいSRPGに仕上がっており、逆にいまこそ遊んでもらいたいゲームだと思います。
当時、雑誌「宝島」の“VOW”に傾倒していた筆者は、渡辺祐やみうらじゅんといったサブカル者にイジられまくっていたカーツ佐藤がシナリオを担当すると聞いて、どんな下品な内容になるのかと期待したのですが、予想を覆す超王道ファンタジーに面食らった思い出があります。