アイテム情報
「ダイナマイトバットマン」は、1991年12月20日にサンソフトから発売されたファミリーコンピュータ用アクションゲームです。
アメリカンコミックの出版社・DCコミックスのスーパーヒーロー・バットマンは、80年代頃の日本では知名度はあるもののまだまだメジャーともいい切れない存在でした。
その状況を変えたのは、1989年の映画「バットマン」(Batman)。
監督をティム・バートンが務めたこの作品は、狂気を内に秘めたバットマンと、ジャック・ニコルソンの当たり役であるジョーカーの存在感が、単なるヒーロー映画ではない新たなバットマン像を打ち出しヒットを飛ばします。
そのゲーム化作品が1989年12月22日に発売されたサンソフトのファミコン版「バットマン」です。
映画「バットマン」の続編は、1992年公開の「バットマン リターンズ」ですので、1991年発売の「ダイナマイトバットマン」はちょっと様相が異なります。
本作はコミック版のバットマンがベースとなっていますが、バットモービルやバットウイングなど1989年映画版デザインのガジェットも登場するオリジナルの内容となっています。
本作のNES版「BATMAN Return of The JOKER」(バットマン:ジョーカーの帰還)というタイトルからも分かる通り、映画「バットマン リターンズ」には登場しないジョーカーが出てくることからも明らかです。
パッケージのおもて面には高らかに笑うジョーカーのみが登場しており、バットマンの姿は裏面のみです。
カセットのシールにもデカデカと同じジョーカーの絵が使われています。
そんなジョーカー推しでありながら「BATMAN Return of The JOKER」というタイトルを使わず「ダイナマイトバットマン」という謎の邦題に……。
なにか権利的な問題が発生していたのかと勘ぐってしまいます。
ゲームはかなりの難易度ですが、特筆すべきはそのグラフィックの出来の良さ。
スーファミかメガドライブと言っても騙せるんじゃないかというくらいのレベルです。
音楽はサンソフト叩き上げの職人コンポーザー&サウンドプログラマー・小高直樹。
「アトランチスの謎」(1986)、「スーパーファンタジーゾーン」(1992)、「アルバート・オデッセイ」(1993)など数々のサンソフトの名曲を手掛けた手腕が堪能できます。