アイテム情報
「ゴリラーマン」は、1993年4月28日にヨネザワから発売されたファミリーコンピュータ用ボードゲームです。
ハロルド作石が週刊ヤングマガジンに連載した同名漫画を原作としています。
同作品は当時かなりの人気を誇りアニメ化も果たしているのですが、主人公・池戸定治ことゴリラーマンは存在感は抜群なのにほぼ喋らないキャラクターであるため、漫画のストーリーは別のキャラクターを中心に展開するという特殊なスタイルで描かれています。
ゲームでもその設定が貫かれているので、原作漫画を読んでいない人にとってはずっと「ゴリラーマンって何? このゲームって…?」というふんわりした疑問が拭い去れないことでしょう。
さらに、インパクトのあるゴリラーマンを前面に出しずらい関係もあってか、サイコロによるすごろく形式で進む普通のボードゲームになりました。
これがまたビックリするほどミスマッチで、別の目的で作っていたすごろくゲームを流用したのでは……と思ってしまうくらいです。
まぁ、原作ファンではない人にも先入観なく楽しめるという逆転の発想なのかもしれませんが、それでは原作漫画の立つ瀬がありません。
発売元の老舗玩具メーカー・ヨネザワは、それまで「ギミア・ぶれいく 史上最強のクイズ王決定戦」というクイズゲームや、「カジノダービー」という競馬ゲームをファミコンでリリースしてきました。
その際に使用できたのが同社製の周辺機器“パーティータップ”です。実はこのパーティータップをファミコン版「ゴリラーマン」でも使用できます。
早押しクイズ用に開発されたパーティータップですが、クリックとダブルクリックを活用することで一応、プレイできるのです。
説明書には「ダブルクリックを練習しよう」の項目やゲーム内に練習モードもあり、親切というか涙ぐましいというか。
そもそもヨネザワは、良質のアナログボードゲームを作ってきたことでも知られていました。
多人数で遊ぶゲームの楽しさを熟知していたのです。
時代の流れもありファミコンに参入したヨネザワですが、「ゴリラーマン」発売の翌1994年、ひっそりとセガの傘下に入ったことは案外忘れられがちです。