アイテム情報
「キョロちゃんランド」は、1992年12月11日にヒロから発売されたファミリーコンピュータ用アクションゲームです。
キョロちゃんが暮らしていたキョロちゃんランドに、突然正体不明の塔が現れ平穏な暮らしが脅かされます。
次々と塔を登っていき平和を取り戻すというのがゲームの目的となるのですが、製菓会社・森永の人気マスコットキャラクターであるのんびりしたイメージのキョロちゃんにしてはステージ全体がなんだかとてもダークです。
実は「キョロちゃんランド」は、NESで発売された「Castelian」というゲームの主人公キャラと一部アイテムだけを差し替えた作品です。
さらに言えば「Castelian」は、AMIGAやコモドール64などで発表されたアクションゲーム「NEBULUS」というゲームの移植作品で、パズルアクション要素が強めの作品でした。
「NEBULUS」は様々な賞を受賞するなど優れたアクションゲームとして評価を受けましたが、キョロちゃんの世界観とは相容れないものがあり、どうしてこの2つを組み合わせようと思ったのか少々理解に苦しみます。
さらに元がパソコンゲームであるからか「キョロちゃんランド」の操作系は謎で、Aボタンを押すとチョコボール攻撃、方向キー+Aボタンで左右にジャンプするという仕様になっています。
説明書にはちゃんとBボタンも描かれているのですが、なんら役割を割り振られていません。
ファミコン移植にあたってこの点を改善しただけでもだいぶプレイフィールが変わったはずなのでその点は残念です。
このゲームを発売した株式会社ヒロは、Macintosh用に開発されたパズルゲーム「石道」をディスクシステムソフトに移植販売したのち、「キョロちゃんランド」をリリース。その後ファミコン市場から姿を消します。
1997年に任天堂にいた横井軍平が興した株式会社コト開発の大ヒットキーチェーンゲーム「くねっくねっちょ」を発売したのもヒロというメーカーなのですが、会社ロゴは似ているものの同一会社なのかどうかイマイチよくわかりません。
謎多きメーカー・ヒロ。その全貌が明かされる日ははたして来るのでしょうか。