アイテム情報
「カイの冒険」は、1988年7月22日にナムコから発売されたファミリーコンピュータ用横スクロールアクションゲームです。
「ドルアーガの塔」(1984年)、「イシターの復活」(1986年)に続く“バビロニアン・キャッスル・サーガシリーズ”の3作目で、「ドルアーガの塔」の前日譚にあたります。
ブルークリスタルロッドに封じられていた悪魔ドルアーガは、天高くそびえる塔の影にロッドが遮られたことで復活。
巫女カイは、奪われたロッドを取り返すためにドルアーガが占拠した塔へと赴く、というストーリーです。
そして本作は「ドルアーガの塔」に続くお話ですので、エンディングでカイが囚われの身となってしまいます。
「ドルアーガの塔」でギルがカイを救出し、「イシターの復活」で廃墟となった塔から2人で脱出、そしてギルが天上界にブルークリスタルロッドを届ける“バビロニアン・キャッスル・サーガシリーズ”最終章、スーパーファミコンの「ザ・ブルークリスタルロッド」へと繋がります。
ちなみに「カイの冒険」で、なぜギルがロッドの奪還に行かなかったのかというと、ギルは塔が一度崩れた際に大怪我を負っていたためです。
「カイの冒険」といえば、独特のジャンプ軌道がよく話題になります。
やけにクセがあり、操作に慣れるまでに時間が掛かるものの、それ自体がゲーム性に直結するこのジャンプアクションは、アタリのアーケードゲーム「メジャーハボック」(1983)が元になっています。
ディレクターを務めた遠藤雅伸はアタリのゲームを愛し、「メジャーハボック」も研究したと述べています。
エンディングクレジットのスペシャルサンクスには“アタリ メイジャーハボック かいはつチーム”と記されており、そのリスペクトのほどが伺えます。
「ドルアーガの塔」が60面なので「カイの冒険」も全60面だと思い込み、死ぬほど苦労して60面まで到達すると、カイはドルアーガにより石に変えられてしまうデモが流れます。
「これでエンディングかぁ」とそれまでの死闘に思いを馳せていると、「このあとも ひきつづき スペシャルステージで おたのしみください」というメタなメッセージとともに100面までの容赦のない地獄の道のりが幕を開けます。