ファミリーコンピュータ『アフターバーナー』

「アフターバーナー」は、1989年3月30日にサンソフトから発売されたファミリーコンピュータ用3Dシューティングゲームです。

1987年にセガ・エンタープライゼスが発売したアーケードゲーム「アフターバーナー」、同年にそのバージョンアップ版にあたる「アフターバーナーⅡ」がリリースされ、ファミコン版は「Ⅱ」の移植作品となります。

タイトル画面には「Ⅱ」の表記がされていますが、ソフトの正式タイトルは「アフターバーナー」です。
速度調整のスロットル操作はなく、スタートボタンでのアフターバーナー点火を実装しています。

ファミコン版発売の2年前、1987年にセガマークⅢに移植がなされ、ファミコン版発売の翌年1990年にメガドライブ版、PCエンジン版が発売されました。

この当時のハードスペックはアーケードが最強の時代で、特にセガの体感ゲームをコンシューマー機に完全移植することなど夢のまた夢でした。
しかし、ゲームセンターのゲームをどうしても家で遊びたいというユーザーの願いと、無茶とわかっていながら性能の劣るハードで「アフターバーナー」を動かしたいという開発者の執念が、それぞれ独自の移植作を生み出していくこととなったのです。

完全移植が当たり前となりつつある現在の目でファミコン版移植を見ると、いろいろと物足りない印象なのは仕方ありません。
しかし、圧倒的に不足している性能を技術とアイデアと熱意でどうにかして補い、その上で「これは……アフターバーナーだ！」と感じさせる、驚きと感動に満ちたいい時代だったなと懐かしく思えてなりません。