ゲームやアニメ、映画などで新しい演出をトライするのは素晴らしい行動です。
たとえそれが上手い事いかなかったとしても。
『ギャングウォーズ』の笑い声演出も成功したとは言えない演出でしたが、1人でも話題にするプレイヤーがいれば、それは”勝ち”だと思います。
アニメキャラのオマージュ、味のある社内声優も話題にされれば、それで”勝ち”です。
広報力の弱いゲーム会社にとって、その戦略は”アリ”だと思っています。
◆ 鳩野さんにもうちょっと聞いてみました! ◆
・『ギャングウォーズ』はメインビジュアル(ゲームのチラシなど)だとリアルタッチの絵である一方、ゲーム中では主人公のふたりだけアニメ調のビジュアルになっています。これはなぜですか?
プランナーの丸山さんはあまりアニメを観ない方だったのですが、それがひとつのコンプレックスにもなっていたようで、当時のアニメ関連の資料として『北斗の拳』と『宇宙皇子』をレンタルビデオで観たと語っていました。
マイクの顔に影が走るのは『北斗の拳』のオープニングのオマージュですね。
ジャッキーの顔はもろに『宇宙皇子』の影響を受けています。
『宇宙皇子』は『北斗の拳』ほどメジャーではありませんが、当時、会社で『アニメージュ』と『ニュータイプ』を定期購読していたので、それで知識を得たのだと思います。
もしかしたら、いのまたむつみさんのキャラクターに何かを感じたのかもしれませんね。
・メインビジュアルを描かれたのは社内の方ですか?
ゲーム内のデモのグラフィックは皆、丸山さんが描かれていましたが、ゲームのパンフレットの絵の類はSNK側の手配だったと思います。
・鳩野さんはゲームのテストプレイ以外にも何か関わりましたか?(キャラクターの声など)
やられ声や技の掛け声をいくつか収録しましたが、最終的に誰の声に使われたかは分かりません。
音声合成のレートが低すぎて誰の声だかゲーム本編の音声を聞いても分からないですし…(笑)。
それでも、ありがたい事にスタッフロールにもスペシャルサンクスで入れて頂きました。
笑い声のガヤも複数人で録るには録りましたが、最終的には映画のビデオからチョッパって来た音声が使われているそうです。
笑い声演出ですが、テストプレイ中には主人公がダメージを食らって倒れる時だけ鳴るようにしていましたが、もっと頻繁に鳴らしたいという意向から無駄な空振りでも笑い声が鳴るようになりました。
ちなみにジャッキーの師匠の声は丸山さんが務めています。
「JACKIEよ・・・このワシに、拳をむけるのか?」のデモ台詞ですね。