【第11回】マップエディタから生まれた新機軸──シムシリーズ【スーパーファミコン】

毎度、名作ゲームを紹介する連載コラム『髙橋ピョン太のおニューもレトロも』の第11回は、シミュレーションゲームの金字塔『シムシティ』を中心に、開発者のウィル・ライトさんのことや『シムアース』や『シムアント』など、いわゆる『シムシリーズ』のお話をしたいと思います。ちなみに『シムシリーズ』はパソコンゲームが発祥ですが、今回はスーパーファミコン(以下、スーファミ)版のゲームを中心に語りたいと思います。

 

スーパーファミコン版『シムシリーズ』3部作、『シムシティ』『シムアース』『シムアント』。

 

『シムシティ』には、二つの呼び名?

 

まずは、うんちく的なところからお話をさせていたたきます。冒頭、今回ご紹介するゲームのタイトルを『シムシティ』と表記しましたが、実はこのゲームは『シムシティ』と『シムシティー』の2種類の製品名が存在します(最後の「ー」があるか、ないか)。

 

任天堂のスーファミ版『シムシティー』には『―』があります。

 

英語表記は、スーファミ版一緒です。


これは、任天堂から発売されているものが『シムシティー』、それ以外の会社から発売されているものは『シムシティ』なんですね。このコラムでも意図的に書き分けていますが『シムシティー』と書いてあるものは、基本的にスーファミ版のことを指します。ちなみにスーファミ向けには『シムシティ2000』と『シムシティJr.』も発売されていますが、これらはイマジニアが発売元なので「ー」はありません。

 

スーファミ版『シムシティ2000』のタイトル画面です。色数もパソコン版と遜色ありません。

 

スーファミ版『シムシティJr.』のタイトル画面。スーファミのパソコンゲーム移植ものの完成度は高い。

 

もう少しこの話を続けるとニンテンドーDS向けに出ているものは、『シムシティDS』『シムシティDS2』で、これらはエレクトロニック・アーツから発売されています。NINTENDO64+64DD用に出ているものは任天堂からの発売なので『シムシティー64』です。ちなみに『シムシティー64』は『シムシティ2000』がベース、『シムシティDS』『シムシティDS2』は『シムシティ3000』がベースのゲームです。

 

NINTENDO64+64DD用『シムシティー64』は、任天堂からの発売です。

 

いろいろと年代が違ったりベースのゲームが違ったりと、いきなりごちゃ混ぜに話をしてしまいましたが、とりあえずここでは『シムシティ』と『シムシティー』の違いだけを知っておいてください。
※一部、携帯電話向けやWeb版に例外で『シムシティー』表記があります。

 

意外なゲームから誕生した『シムシティ』

 

『シムシティー』は、上空から見下ろし視点のゲーム画面が特徴的でした。写真はスーファミ版。

 

さて、本題のスーファミ版『シムシティー』ですが、こちらは1991年4月26日に任天堂から発売されました。これは、パソコン版『シムシティ』の移植作品です。元になったオリジナルゲームは米国にてマクシスが1989年2月2日に発売した都市経営シミュレーションゲーム『シムシティ』(SimCity)です。

『シムシティ』は、シムシティシリーズの初代作品、後述するシムシリーズの記念すべき第1作作品です。Commodore 64(コモドール 64)、Amiga、Macintosh、IBM PC(MS-DOSおよびOS/2)という世界の名だたるパソコン向けに発売されました。当時としてはかなり珍しい本格的なシミュレーションゲームで、発売後比較的すぐに話題になりました。

 

こちらはIBM PC(MS-DOSおよびOS/2)版の『シムシティ』。

 

『シムシティ』の開発者であるウィル・ライトさんは、このゲームのヒットで世界的に人気のゲームデザイナーとなりましたが、実は知る人ぞ知るアクションシューティングゲーム『バンゲリング ベイ』の開発者でもあり、米国ではすでに有名なプログラマーでした。ちなみに『バンゲリング ベイ』は、ハドソンからファミリーコンピュータ用のゲームとして1985年2月15日発売されていますが、そのオリジナルは、これもパソコンゲームで1984年にブローダーバンドがCommodore 64向けに発売したゲームが元です。

 

Commodore 64版『バンゲリング ベイ』(Raid on Bungeling Bay)。

 

『バンゲリング ベイ』(Raid on Bungeling Bay)は、ブローダーバンド「バンゲリング帝国三部作」の一つで、1982年に発売された『チョップリフター』(Apple II)、1983年に発売された『ロードランナー』(Apple II)とともに有名なゲームシリーズでした(開発者は、それぞれ別の人)。

『チョップリフター』も『ロードランナー』も、オリジナルはApple II用でした。しかし、ウィル・ライトさんはApple IIはすでに古いパソコンであると判断し、これからはその次の世代のパソコン向けに開発すべきと判断し、Commodore 64向けにゲームを開発することを決断します。そうした思いで作られたのが『バンゲリング ベイ』でした。

『バンゲリング ベイ』は、プレイヤーがヘリコプターで海上を飛び回り、敵基地が点在する島々の上空を飛びながら爆弾を投下したり、機銃を掃射したりしながら、敵を殲滅させるゲームでした。ファミコン版をプレイしたことがある人ならわかると思いますが、ゲームは比較的広い地域を四方八方に飛び回る全方向スクロールタイプのシューティングゲームでした。この当時のシューティングゲームの多くは、横スクロールか縦スクロールのものがほとんどだったので、全方向スクロールのタイプはちょっと変わった操作感が味わえるシューティングで、その雰囲気は賛否両論ありました。ちなみに自分は大好きなゲームの一つです。

 

ファミコン版『バンゲリング ベイ』はハドソンから発売されました。

 

ウィル・ライトさんは、この『バンゲリング ベイ』の広い地域のマップを作るために、ゲームとは別に専用のエディタを開発します。つまり開発ツールですね。これでちまちまとゲーム用のマップを作るのですが、彼は実際にゲームをプレイするよりも島々の地形を作ったり、敵基地を配置したりするのが楽しいことに気づきます。『バンゲリング ベイ』を完成させたあと、彼はこのアイデアを基に新しいゲームを作成することを決意し、マップエディタを発展させながら作り上げたのが『シムシティ』でした。もちろん、『シムシティ』のオリジナルもCommodore 64向けになりました。

『バンゲリング ベイ』の開発ツールから発展した『シムシティ』の開発は、1985年頃の話でした。しかし、完成した『シムシティ』には、1980年代中期当時のゲームに必須だったアクション要素が一切なかったことから、パブリッシャーであるブローダーバンドには理解してもらえず、商業的には無理だろうという判断がなされ、しばらくは商品化されませんでした。

 

やっと発売された『シムシティ』

 

そんな中で、1987年にとあるピザパーティーでAmiga用のソフトウェアパッケージを販売していたジェフ・ブラウンさんと出会います。ジェフさんは、これからジェット戦闘機のフライトシミュレーターをパブリッシュしようとしていた矢先、『シムシティ』を見て、これはいけると判断、二人は意気投合をして、この二つのゲームがあれば大成功するだろうという思いで新会社Maxis(マクシス)を共同設立します。その後、1989年にブローダーバンドの協力のもと、マクシス名義で『シムシティ』が無事に発売されます。開発に着手してから発売されるまで、なんと4年もかかったんですねー。

発売まで時間がかかったことが功を奏し、発売時には前述の通り、Commodore 64版、Amiga版、Macintosh版、IBM PC(MS-DOSおよびOS/2)版が出そろいました。しかしながら、当初は売れ行きが低迷します。ですが、当時ログイン(雑誌)のアメリカ駐在員から「これ、面白いからやってみて」という連絡が入り、我々はすぐに全バージョンを入手します。ちなみに髙橋は、編集部にてMacintosh版を遊びました。

 

Macintosh版の『シムシティ』Ver.1.1。Macintosh、『シムシティ』ともに憧れでした。

 

これは、面白いと我々ゲーム誌の編集者の間では評判が高まり、すぐに紹介しなければという判断になりました。しかし、1989年当時、日本製のパソコンで遊べる『シムシティ』はありませんでした。ログインは、AmigaやMacintoshのゲームも紹介していたので、もちろんゲーム自身は紹介しているのですが、どうしても遊んでほしかったんですよね。

そのタイミングで、東芝が1989年6月に日本向けに初代DynaBook J-3100SSを発売します。この初代DynaBookは本気で持ち運びができる元祖ノートパソコンの一つとして当時話題になるのですが、実は中身はIBM PC/XT互換機で、なんとオプションの「英語MS-DOS V3.3」を利用し英語モードで起動すると、IBM PC版『シムシティ』が動くんですねー。これにいち早く気づいた我々は、日本で『シムシティ』を遊ぶ方法と一つとして紹介記事を書いたんですねー。そしたらなんと、意外にもこれをセットで購入するというツワモノも現れ、なんだかちょっと話題になりました(自慢です、ごめんなさい)。

もっとも1990年には日本語対応され、3月に富士通からFM TOWNS版が、イマジニアから6月にはJ3100版(日本向け)、9月にPC-9801版とX68000版が発売されます。いや、でもそれは我々(海外も含めた)ゲーム雑誌が『シムシティ』の良さを力説して後押したからの結果だと自負しております。そして、その後『シムシティ』がベストセラーとなったのはいうまでもありません。

このように『シムシティ』は、シミュレーションゲームはアクション要素がなくても本格的なシミュレーターであれば売れるんだという市場を確立させました。

 

シムシティシリーズはスーファミ版が最大のヒット作

 

そして翌年、1991年4月26日に任天堂からスーファミ向けに発売されたのが『シムシティー』です。以前から当コラムではいい続けていますが、憧れのパソコンゲームを家庭用ゲーム機でも遊べるようにしてくれたのがスーファミです。スーファミのハードウェアスペックは、当時はそれだけ優れていたんですね。

 

ゴジラ風の怪獣が出現することで有名な『シムシティ』ですがスーファミ版はクッパに変更されています。

 

憧れのパソコンゲーム『シムシティ』が誰でも遊べる環境を作ってくれたのがスーファミ版『シムシティー』です。何十万円もするパソコンを買わず遊べてしまうんですから、これ自体凄いことですよね。そのおかけで、パソコン版では30万本程度の売り上げだった『シムシティ』(それでも凄いけど)も、スーファミ版『シムシティー』は国内で90万本、世界全体では198万本を売り上げます。つまり、『シムシティ』シリーズを世界規模の大ヒットにつなげたのはスーファミ版『シムシティー』なのです。

 

シムシティシリーズの誕生、シムシリーズへの発展

 

1994年、『シムシティ』の大成功は『シムシティ2000』(SimCity 2000)へと発展します。この頃になると、もう本格的なシミュレーションゲームは売れるのか? なんていう疑問は誰も持ちません。マクシスから発売された『シムシティ2000』は、Windows版、Mac版、MS-DOS版、FM TOWNS版などが発売され、イマジニアからは日本語版も出ています。

 

ちょっと立体的になった『シムシティ2000』のゲーム画面。操作性も改善されています。

 

『シムシティ2000』は、前作の見下ろし視点のゲーム画面から斜め上空から見た立体的な視点になりました。またマップには高低差があり、起伏のある地形上で都市開発が可能になりました。新たな概念として水道、教育、健康、条例などがゲームに取り入れられ、よりリアルな街作りが可能になりました。

1995年にはイマジニアのスーファミ版を始め、セガからセガサターン版、翌年にアートディンクからPlayStation版が登場します。その後もゲームボーイアドバンス版など様々なプラットフォームに移植されていきます。スーファミ版のみならず、他の家庭用ゲーム機にも移植されるようになったのは、まさしく『シムシティー』大ヒットの賜物ですね。

シムシティシリーズは『シムシティ3000』『シムシティ4』『シムシティ ソサエティーズ』『シムシティ3D』『シムシティ ソサエティーズ』『Simcity Social』『SimCity BuildIt』などなど2000年以降にも新作タイトルは続き、またプラットフォームも携帯電話やWeb版、スマートフォンアプリ、SNS版ほかあらゆるものへと移植され続けています。『シムシティ』ファン、ウィル・ライトファンの髙橋も、もう追いかけるのは難しくなるほどいろいろなシムシティシリーズが出ています。

 

シムシリーズはどこへ行く!?

 

『シムアース』(SimEarth)は、壮大な惑星がテーマのシミュレーション。

 

さて、ゲームデザイナーとしてのウィル・ライトさんの興味はシムシティシリーズだけにとどまりません。1990年に、マクシスから発売をしたゲーム『シムアース』(SimEarth)は、惑星を育てるライフシミュレーションゲームです。大気や地形を操作し、生物や文明などを誕生させ、惑星そのものを育てます。もはや、一惑星の生命誕生の歴史をシミュレートしてしまう大規模なものになりました。ウィル・ライトさんのゲームには、神様視点のような大きな力を感じますが、今回は40数億年以上の時間の経過を一望することができる視点へと発展し、ますますゲームへの興味が高まります。

 

各種パラメーターをいじって、惑星の環境を整えていきます。

 

ウィル・ライトさんの本格派指向は、これもまた『シムシティ』の成功により高まり、確固たる自信となり、よりリアルなシミュレーションゲームへと繋がっていきます。『シムアース』は、英国の科学者ジェームズ・ラブロックのガイア理論やドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナーの大陸移動説、英国自然科学者チャールズ・ダーウィンなどの進化論などをもとに制作されており、地質学や生物学なども含む、まさに惑星育成、地球シミュレーションです。

 

順調にいけば生物が誕生し、アメーバや昆虫が育ち、うまくいけば恐竜やほ乳類へと進化します。

 

ついに文明が登場しました。このあと、原子力が発明されますが、核戦争が起きたりもします。

 

IBM PC/AT互換機用ゲームとして開発された『シムアース』は、同年にMac版、Windows版が、1992年にAmiga版が登場します。日本でも1991年にイマジニアからPC-9801版、スーファミ版、1992年にはX68000版が日本語対応で出ています。1993年には、ハドソンからPCエンジンSUPER CD-ROM2版が、セガからメガCD版が発売されるなど、移植のスピードも加速度的に速くなりました。

 

惑星の育成の次は……

 

ウィル・ライトファンとして、彼の興味は惑星のあとはどこに行くのだろう、惑星より大きなもののシミュレートするテーマって何があるんだと胸中で勝手に想像をしていたら、なんとシムシリーズ第3弾は、『シムアント』でした。ゲーム業界が『シムアース』の移植で忙しかった頃、マクシスからアリの生態シミュレーションゲーム『シムアント』(SimAnt)が1991年に発売になります。おっと、そうきましたか、と思いましたね。

 

なんと、第3弾はアリの生態観察ができるシミュレーションでした。

 

『シムアント』はMacintosh版、IBM PC/AT互換機、Windows版が同年に登場し、翌年1992年にAmiga版がリリースされます。日本ではイマジニアが1993年2月にFM TOWNS版、PC-9801版、X68000版、そしてスーファミ版をリリースします。

 

アリの巣を拡大させつつ、卵や幼虫の世話もしなければなりません。

 

『シムアント』の基本は、シミュレーションですのでアリの生態を学習することができる仕組みになっていますが、これまでのシムシリーズとはちょっと異なっており実は少しゲーム性が加味されています。

プレイヤーは巣を拡大させながら、エサを調達したり、卵や幼虫の世話をしたりしながら、仲間を増やすことを目的としますが、それと同時に敵である赤アリを絶滅させて、最終的にはこの巣のある庭の持ち主である住人を追い出すことを目的としています(自分は、そこまでやったことないですが)。また、スーファミ版にはシナリオゲームモードが用意されており、シナリオクリアタイプのゲームにもなっています。

 

敵対する赤アリとエサ場でであったりするので要注意です。

 

アメリカの子供たちにとってアリの生態観察は、誰もが経験するわりとポピュラーな教材です。実際にアリを捕まえたり、巣を作らせたりすることなく観察ができる『シムアント』は、ウィル・ライトさんにとってもよいシミュレーションテーマだったのかもしれません。だから、惑星の次はポピュラーなアリがテーマだったのでしょう(すいません憶測です)。

 

アリの生態までわかってしまう百科事典機能で、お勉強。

 

マクシスのシムシリーズは、ゲームというよりも教育目的で使われることも多く、シムシリーズの多くを日本向けに移植していたイマジニアも、これらを教育にも利用できないだろうかと常々考えていたといいます。実は、我々もそう思っていました。これらの一連のシミュレーションゲームは、ぜひ子供たちにもやってほしいな、と。奇しくも同じようなことを考えていたイマジニアと我々ログインとログインソフト編集部は意気投合した結果、そこからログインDISK & BOOKシリーズ『シムアントBOOK』が誕生しました。

 

『シムアントBOOK』はフロッピーディスク付きのゲームブックです。

 

『シムアントBOOK』は、当時、東京大学名誉教授だった竹内 均さん総監修、日本アリ類学会会長の久保田政雄さん監修のもと、イマジニアさん制作・編集、ログインソフト編集部企画・編集で、アリの生態にめっぽう詳しい図鑑的要素とPC-9801用『シムアント』を組み合わせたDISK & BOOKです。これは攻略本ではなく、二つのブレー方法があるれっきとしたゲームが含まれています。

一つは、巣の食料や繩張りを巡って赤アリと戦い、赤アリの女王アリを倒すことが目的のクイックゲーム。もう一つはアリと一緒に遊んだり、様々なツールを使いアリに実験をしたりすることができる実験モードがありました。『シムアントBOOK』は、あまりシムシリーズとして認識されておらず、今やすっかり忘れ去られておりますが、逆に貴重なレアアイテムですので、BEEPさんなどで見かけることがあったら、ぜひともコレクターズアイテムとして手に入れてたみてください。

 

本格的なアリの図鑑といっても過言ではありません。

 

シムシリーズはスーファミ版がオススメ

 

ちょっとスーファミ版の話から、それてしまいました。というわけで、ウィル・ライトさんの孤高のシミュレーションゲーム『シムシリーズ』を今から遊ぶなら、スーファミ版がオススメです。『シムシティー』『シムアース』『シムアント』のシムシリーズ3部作がそろっていますし、『シムシティ2000』もあります。

 

『シムシティJr.』は子供受けしそうな絵にかわっています。ただいまブタを捕まえるシナリオをプレイ中。

 

またスーファミ版で『シムシティJr.』というゲームが1996年にイマジニアから出ているんですが、これはマクシスが1995年にMacintosh、Windows向けにリリースした経営シミュレーションゲーム『シムタウン』の移植版です。『シムタウン』と『シムシティJr.』は、好きな建造物を箱庭的に建てたり、『シムシティJr.』ではシナリオモードで条件をクリアしたり、ペイントモードでは単に絵を描くように建造物を置いていけるモードになります。これらは、子供たちでも遊べそうです。個人的には、このスーファミ時代のマクシス作品が大好きです。まだパソコンの性能がそこまで進化しておらず、パソコンでもゲーム機でも遊べる規模のシミュレーションゲームの時代ですね。

マクシスは、『シムゴルフ』『シムサファリ』『シムコプター』『シムファーム』など、さまざまなシムシリーズを展開しますが、ここらへんで自分は追うことができず、また自分に合ったシミュレーションゲームを見つけられずにいました。マクシスも、しばらくヒット作を出せていません。そうこうしているうちに、1997年にマクシスは、エレクトロニック・アーツに買収されます。そして、そのグループメンバーの一部門としてゲームの開発を続けます。

エレクトロニック・アーツのマクシスとして作ったゲームでヒットしたのは、2000年にリリースされた『シムピープル』(The Sims)でした。2002年にはオンライン対応の『シムズオンライン』といったサービスもありました。そして、『シムピープル』はザ・シムズシリーズとして、発展していきます。2004年の『ザ・シムズ2』、2009年の『ザ・シムズ3』、2014年には『ザ・シムズ4』がリリースされました。

 

今でも様々なパッケージが中古品で手に入る『シムピープル』

 

シムシティシリーズでは、建設と街の発展が目的でしたが、ザ・シムズシリーズは街に住む住人とその人々の人生をシミュレートするゲームに変化しました。

『シムシティ』の話から、とめどもなくウィル・ライトさんの話、そしてマクシスの話になりましたが、本当はここから髙橋がログイン時代に取材でウィル・ライトさん宅に取材でお邪魔したことがある話(オークランドの大火事で当時の家はなくなってしまったそうです)や、『シムシティ』と同時期に日本からはアートディンクの『A列車で行こうIII』というシミュレーションの大作が出て、ログインの記事をきっかけに両社はその後に交流を持ち、互いの作品をローカライズしたり移植したりする話に展開していったということも書きたかったのですが、もはや限界を超えた長いコラムになってしまいましたので、その話はまたいつか機会があれば話したいと思います。

またレトロな話ばかりではなく、現在、ウィル・ライトさんは、『VoxVerse』というブロックチェーンゲームの開発にも携わっているという最新の話もしてみたいですねー。

現場からは、以上です!!

 

 

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著者紹介
髙橋ピョン太

1980年にフリーでパソコン用ゲーム開発を開始。『ボコスカウォーズ』PC-8801版の移植の仕事をきっかけにアスキー専属プログラマーになり、80年代前半~90年代にアスキーのパソコン雑誌『ログイン』の編集者に転向。
その後は、どっぷりと編集につかり、『ログイン』6代目編集長を経て、ゲーム、IT系ライターとなり、現在に至る。Xではレトロなハードやゲームについてつぶやいています。
髙橋ピョン太のX(https://twitter.com/pyonta)

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