ゲームキャラの声にプロの声優が使われたキッカケは…

アルファ電子コラム第8回のイラストです

『社内声優』という言葉をご存知でしょうか?
アニメではあまり聞かないでしょうが、ゲームでは社員が声優をつとめる事が80年代から90年代初頭にはよくありました。
私も何度となくつとめた事があります(笑)。
今回はADKがゲームキャラクターの声を社内声優からプロの役者に移行した経緯です。

◆ 鳩野さんにもうちょっと聞いてみました! ◆

・声優にプロを起用した結果、ユーザーの反応に変化はありましたか?

実のところ、あまりお客さんの反応はあまりなかったですね。
プロと言っても普段テレビで聞く声、いわゆるアニメ声優ではなかった点も大きかったのではないでしょうか。

プロ起用の話はそれ以前にも3度あったんです。
1度目は『チャンピオンベースボール』の時に実際の審判の方にお願いするというもの。
2度目は『ニンジャコンバット』でアニメ声優に依頼するという話までは行ったのですが、予算面の事情から外国人タレントの男女1名ずつ役者さんに依頼という形に。
3度目は『ラギ』はシューイというショップの女店主の声をアニメ声優にお願いしたいと総務に稟議を提出しましたが、わずか数台詞の為にこの額は出せないと断られました(笑)

・収録で「さすがプロは違うな…!」と感じたことはありますか?

やはり発声からして違いますね。腹から出ている感じです。

・社内で一番声優に向いているなと感じた人は誰ですか?

音響課の清水さんですね。
清水さんは1作目の『ワールドヒーローズ』のハンゾウ、『ニンジャコンバット』のムサシなどを演じていますが、特にハンゾウは2代目の高田さん、3代目の今井さんというプロの方と遜色がありませんでしたね。

・『ニンジャコンバット』の国内版は海外版と違ってステージ間のボイスがないのはなぜですか?

実は当初はあったんですよ、国内版のステージ間ボイス。
でも、音ロムの容量が足りなくて海外版の音声のみになりました。
ゲンブの「奴らにだまされていたんだ」という台詞が、本当に頭が悪そうで良かったんですけどね。

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著者紹介
鳩野 高嗣 (はとの たかし)

フリーランスのゲーム制作者・グラフィッカー。 タイヨーシステム(カルチャーブレーン)~アルファ電子(ADK、フォンキャスト)~TENKY~dropといったキャリアを経て、現在に至る。
アルファ電子には1986年から2001年まで在籍しており、同社の黄金期から末期までの歴史・実情を知る人物である。 関わった作品は『ラギ』『痛快GANGAN行進曲』『ワールドヒーローズパーフェクト』『テニスの王子様-SWEAT&TEARS-』シリーズ、『マイネリーベ2』など多数。

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