【第10回】ようこそデジタル理想郷──川のぬし釣り2【スーパーファミコン】

毎度、名作ゲームを紹介する連載コラム『髙橋ピョン太のおニューもレトロも』の第10回は、1995年4月28日に発売された『川のぬし釣り2』について語りたいと思います。パック・イン・ビデオ(現:マーベラス)より発売されたスーパーファミコン用ゲームです。そしてこの話では、『ぬし釣り』シリーズ全体と、その他の釣りゲームも含め、髙橋が経験してきた”釣りゲー(敬意と愛を込めて呼びます)”全体の話とさせていただきます。例によって、今回もいろいろな方向に脱線してしまうかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

 

釣りゲームにハマったきっかけは『ぬし釣り』シリーズ
 

今回は『川のぬし釣り2』を始めとする『ぬし釣り』シリーズ全般のお話。

 

さて、みなさまは、釣りゲーはお好きですか? 髙橋は、異様に好きです。好きすぎて、一つのゲームを何年もやり続けてしまいます(汗)。釣りそのものは、子供の頃にやった程度ですが、釣りゲーは大好きです。そして、釣りゲーが大好きになったきっかけが『川のぬし釣り2』を始めとするパック・イン・ビデオの『ぬし釣り』シリーズ作品なのです。

 

『ぬし釣り』シリーズの代表的作品が『川のぬし釣り2』。

 

『ぬし釣り』シリーズは、1990年8月10日に発売された『川のぬし釣り』がシリーズ第1作作品です。『川のぬし釣り』は、ファミリーコンピュータ用のゲームでした。髙橋は、もちろん『川のぬし釣り』も買いましたし、遊びました。いや、遊び尽くしました。では、なぜ1ではなく『川のぬし釣り2』を今回のコラムのメインタイトルに選んだのでしょうか。それは、釣りゲーの歴史が理由の一つなのです……。

 

ファミコン版『川のぬし釣り』は、今や希少なレトロゲーム。

 

ちょっと釣りゲームの歴史について考えてみた

 

今回は、最初に家庭用ゲーム機における釣りゲーの歴史(国内)からお話しさせてください。まず、国内初の家庭用ゲーム機向け釣りゲーは、ホット・ビィが1987年2月6日に発売したファミコン用ゲーム『ザ・ブラックバス』でした(髙橋の知る限りでは)。『川のぬし釣り』が出る3年以上も前のことです。『ザ・ブラックバス』は、元はパソコンゲームです。ホット・ビィは、1980年代初期のマイコン時代からゲームを作っていたパソコンゲームの老舗で、パソコン向けに「GA夢(がむ)」というブランド名でゲームを多数提供していました。

 


当時のホット・ビィ広告。(出典:月刊I/O 1984年5月号)

 

『ザ・ブラックバス』の初出は、1984年です。当時人気だったNECのパソコンPC-8801向けのゲームで、その後に富士通のFM-8やMSXにも移植されました。ゲームの内容は、その頃ブームになっていたバス釣りのシミュレーションです。ここに、当時のログインのニューソフトコーナーで『ザ・ブラックバス』を紹介している記事を載せておきますが、ゲーム内容はこんな感じでした。その移植版がファミコン版『ザ・ブラックバス』です。パソコンゲームの発売から3年経っていたんですよね。そして、ややシミュレーション色が強くて、釣りゲーとして純粋に遊ぶには釣りの大変さが目立ち、髙橋には難しすぎました。

 

ファミコン版『ザ・ブラックバス』は、パソコン版の移植でした。

 

パソコン版『ザ・ブラックバス』の当時の紹介記事。(出典:ログイン 1984年9月号)

 

そして、その次に釣りゲーが発売されるのが、1988年03月17日です。やはりファミコン向けに、ビクター音楽産業から『釣りキチ三平 ブルーマーリン編』というゲームが登場します。『釣りキチ三平』は、『週刊少年マガジン』(講談社)に1973年から10年間連載(その後にも何度か復活している)されていた矢口高雄さんの釣りがテーマの人気漫画で、このゲームはその釣りキチ三平を主人公にした釣りゲーでした。

『釣りキチ三平 ブルーマーリン編』は、三平が釣り大会に出場するというゲームで、三日間の大会でどれだけ大物の魚を釣り上げるかを競うゲームです。ゲームは船で沖に出ます。自分でポイントを決めると船は自動的に出航します。その後は沖合で釣りを始めるのですが、決められるのはラインの種類とエサのみ。これも船上で「サンペイクン、エサヲ、カエルンダ」とアシスタントに指示されるので、それに合わせて変えればいいのですが、これがなかなか釣れません。魚がかかったと思ったら、あとは魚が弱るのを待って、ラインを引っ張りすぎず、逆に緩めすぎず、調整をしながらラインを巻き上げるためにBボタンを連打します。ゲームは、なかなか魚が釣れない本物の釣りのような我慢の大会です。カツオが釣れたと思ったら、それはエサになる魚でした……。釣りを楽しむゲームというよりは、釣りはそんなに簡単じゃないという船上のつらさを体験する感じのゲームでした。

 

かなり難しい釣り大会ゲームでした。

 

世の中のゲームファンは、もう少しライトな釣りゲーを求めているのではないだろうかと思った、そんな我々のようなゲーマーの前に現れた次の釣りゲーが『川のぬし釣り』でした。1990年8月10日発売ですから、『釣りキチ三平 ブルーマーリン編』から約2年半の月日が流れました。今度もまたファミコン向けのゲームです。そして『川のぬし釣り』は、なんとジャンルはロールプレイングゲーム(以下、RPG)というので、これには度肝を抜かれました。

我々ゲーマーはこの時期、RPGといったらすでに『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』を体験済みで、ファイナルファンタジーシリーズだって『ファイナルファンタジーIII』まで遊び尽くしている、いうなればRPG玄人です。もうすでに新しいRPGで遊びたくてうずうずしていた我々の前に、剣を竿に変え、敵は魚(?)、いや本当に戦う敵は森の動物たちなのですが、そんなRPG仕立ての釣りゲー『川のぬし釣り』が現れたんです。

 

釣りがテーマのロールプレイングゲームというので、当時話題になった。

 

『川のぬし釣り』ってどんなゲーム?

 

まず、『川のぬし釣り』ってどんなゲームなんだろうって気になりだしました(少なくとも自分は)。ゲームは、いわゆるRPGタイプのフィールドを主人公が歩き回ります。なぜ主人公は、歩き回って釣りをするのか? それは、病気の妹のためだという。妹の病気を治すには川のぬしを釣らなければならないのです。

 

『川のぬし釣り』の最初の村。ここから、どこまで遠くに行けるかの勝負。

 

村には、自分の家と宿屋、釣り道具屋、魚屋があります。ゲームには、RPGのように「たいりょく」「おかね」「けいけん」という要素があります。「たいりょく」はフィールドを歩き回ると時々出てくる動物と戦うためのパラメーターです。動物が敵といってよいのかわかりませんが、フィールドを歩き回ると突然出てきて行く手を阻みます。だから素手で殴って倒すのですが、かわいい相手なので申し訳ないです。でも、その先に行きたいので倒します。ゲームは「たいりょく」がなくなるとゲームオーバーなんですが、ゲームオーバーというよりは最初の村にいるお地蔵さんの前に戻されてやり直しです。

ちなみにですが、魚を捕り逃がしても「たいりょく」が削られるときがあるので要注意です。で、動物を倒していくことで「けいけん」と「たいりょく」の数値が上がり、それによってさらに遠くまで出かけることができるようになります。

 

目の前に現れた動物は、「たいりょく」を上げるために倒さなければなりません。

 

川のぬしや大物の魚は当然ですが、かなり遠くのフィールドにいます。ですので、最初は村の近所でコツコツと小物の魚を釣るしかないのです。ちなみに、最初は渓流でしか釣りができないのですが、ブラックバスを釣ることで洞窟の情報が手に入り、さらに別の場所へと出向くことができるようになります。こんな感じで、移動できるフィールドは広がり、そして「たいりょく」が上がることで遠くまで行けるようになります。

釣った魚は食べることで「たいりょく」のを回復させることも可能ですが、魚屋さんで売って「おかね」に換えることもできます。手に入れた「おかね」で釣り具やエサ、探検用のアイテム等を買い、謎解き、戦闘などに備えます。最終的には、タライを手に入れることで海まで行けるのが『川のぬし釣り』の面白いところでもありますが、ゲームの目的はあくまでも川のぬしを釣ることでした。

 

タライを手に入れると川の中も進めます。

 

『川のぬし釣り』の釣りの部分は、それまでの釣りゲーと違い、確実に釣りの楽しさの部分をゲーム化していると感じました。まず、釣り針にエサを付けてキャスティングをします。すると川の流れに沿ってウキが流れ出します。ウキをしっかりと見て、魚のアタリを確認します。魚がかかったら、あとは魚との勝負です。ここでライン(釣り糸)を巻き上げるのですが、早まるとラインは切れて魚を逃します。うまく魚の動きに合わせてラインを巻き上げなければなりません。『川のぬし釣り』はほどよく魚がエサに食いつき、そしてほどよい難易度で魚を釣り上げることができます。そのバランスが釣りゲーには大事ですよね。釣れすぎても釣れなすぎても面白くないんですよね。

 

魚を釣るシーンもあって、釣りゲーらしくなったゲームでした。

 

しかし、『川のぬし釣り』はやっぱりRPGなんです。釣った魚で儲けて、敵の動物と戦いながら、「たいりょく」の数値を上げていくことでより遠くに行けるようになり、初めていろいろな謎を解くことができる、RPG色が濃いゲームなんです。あくまでも川のぬしというボスキャラを倒す(釣り上げる)ことが目的なので、ゲーム中の釣果もわからなければ、自分がどんな魚を何匹釣ったのかという、いうなれば図鑑的な要素がないんです。もちろんゲームは楽しいし、しっかりとRPGの謎を解いている感じも楽しめました。

 

『川のぬし釣り』は釣りゲー進化の通過点

 

『川のぬし釣り』は、釣りゲー進化の通過点です。で、いきなり次のゲームが『川のぬし釣り2』になるのかというと、実はこれまたちょっと違うんです。なぜならば、『川のぬし釣り2』が発売される1995年4月28日のまでの間に、釣りゲーはもっといろいろ出ているのです。

たとえば『ザ・ブラックバス』のホット・ビィは、ファミコン向けに『ザ・ブラックバスII』(1989年)、『ザ・ブルーマリーン』(1991年)、メガドライブ向けに『キングサーモン』(1992年)、ゲームボーイ向けに『ハイパーブラックバス』(1992年)、そしてスーパーファミコン向けに『スーパーブラックバス』(1992年)、『スーパーブラックバス2』(1994年)を出しています(2の開発はスターフィッシュ・エスディ)。

また、パック・イン・ビデオも、『川のぬし釣り』のリメイク版『川のぬし釣り 自然派』(1992年)をPCエンジン向けに出しました。『川のぬし釣り 自然派』では、魚図鑑機能などの仕様が高まっており、かつ自然音・効果音が組み込まれ、よりリアルに進化しました。その後、1994年7月8日にスーパーファミコン向けに『つり太郎』という、新たな釣りゲーを出します。この中で髙橋がハマったのが『つり太郎』でした。

 

『つり太郎』は忘れられない釣りゲーのひとつ

 

『つり太郎』は、スーパーファミコンで発売されたこともあり、『川のぬし釣り』と比べてグラフィックが格段によくなっていました。まず、かなりリアルな魚になっていたのが驚きで、見た目も動きも本物に近しい魚になっていました。そして、なんと『つり太郎』には、あの『川のぬし釣り』最大の特徴ともいえるべきRPG要素が削られていました(笑)。『つり太郎』は純粋に釣りを楽しむゲームに変身した『川のぬし釣り』の外伝的ゲームだったのです。これは大英断ですよね。

 

『つり太郎』は『川のぬし釣り』外伝的ゲームでした。

 

『つり太郎』もまた妹の病気を治すために「川のぬし」を釣り上げるのが目的です。しかし、今度は動物とは戦いませんし、お金を儲けたりもしません。プレイヤーは、釣りたい釣り場に出向いて、そこで釣れる魚をガンガン釣るのがゲームの目的です。各釣り場は、それぞれ一種類の魚しか釣れないのですが、釣り場ごとに釣り道具の仕掛けや釣り方も異なり、その場の魚を攻略していくようなイメージで釣りを楽しみます。ちなみに仕掛け等は自分で選ぶ必要はなく、魚の釣り方も釣り場の立て看板に書かれているので、プレイヤーは、純粋に釣ることだけに専念していきます。

『つり太郎』にもパラメーターはあって、ここでは「つりの力」と「歩く力」のふたつが重要な要素になっています。「つりの力」は魚を釣り上げることで上がり、逆に釣り逃すことで下がります。釣るのが難しい魚は、「つりの力」を上げておくことで釣りやすくなるので、なるべく多くの魚を失敗しないように釣り続けることが大切です。

 

立て看板のある場所が釣り場です。

 

もうひとつの「歩く力」は、文字通りフィールドを歩く力です。平地を移動する際には「歩く力」は消費されませんが、森や湿地を歩くにはこの「歩く力」が消費され、平地に戻ると回復します。そして、「歩く力」がゼロになるとその場に倒れ込んでしまいます。ちなみに倒れてしまっても、Aボタンを押すことでまた平地に戻ってやり直すことができます。これは何を意味しているかというと、例えば長い湿地帯の先にある釣り場には、それ相当の「歩く力」がないと行けないというわけです。なので、「川のぬし」を釣るにはより多くの「歩く力」が必要ということになります。

「歩く力」の初期値は10なんですが、各釣り場でその釣り場のぬしを釣り上げることで、少しずつ上がっていきます。最初は、タナゴ、テナガエビ、モツゴが釣れる釣り場ぐらいにしかたどり着けないので、まずはこれらの魚の釣り方を徹底的に覚えて、各ぬしに備えましょう。ちなみにぬしは、その場で一定数の魚を釣ることで必ず出てきます。

 

ナマズの釣り場に行くには、かなり「歩く力」が必要です。

 

こうして「歩く力」を上げつつ、より遠くの釣り場に行くという流れはなんとなくRPG風でもありますが、敵を倒したり、アイテムを手に入れたりはしないので、『つり太郎』はやはり外伝なんですねー。『つり太郎』で純粋に釣りが楽しめました。

では、なぜ『つり太郎』を釣りゲーのメインタイトルとして紹介しないんだよと思いますよね。実は『つり太郎』は、釣れる魚の種類が限定されているのと、各釣り場で決められた魚を釣るため、何が釣れるかわからないという釣り最大の魅力がないんです。いうなれば釣れる物が決まっている釣り堀のようなイメージです。

それと、これは個人的な話なんですが、髙橋は『つり太郎』にハマりにハマって、当時、魚を釣りまくりました。特にイワナは釣りすぎて、256匹釣ったら256匹目で釣果がゼロに戻っちゃったんです。魚のカウンターがきっと1バイトだったんでしょう。1バイトは8ビットなんですが、これは0~255までしかカウントできないんですね。昔のゲームにはあるあるなんですが、これはショックでした。散々遊び倒した『つり太郎』ですが、それ以来ショックで遊べなくなりました(笑)。ちなみにですが、『つり太郎』は一つのROM内で友達や家族と釣果や釣った魚の大きさが競えます。この要素は、大変よかったと思います。

 

一緒に遊んでいる人と釣果を競うのも楽しい。

 

待望の『川のぬし釣り2』

 

そして満を持して登場したのが1995年4月28日発売の『川のぬし釣り2』です。『川のぬし釣り2』は、純粋な『ぬし釣り』シリーズ継承路線です。もちろん、RPGの復活です。プラットフォームもファミコンからスーパーファミコンになったので、グラフィックや釣りゲー要素は、『つり太郎』をも継承しています。魚を釣るのがより楽しくなりました。川のグラフィックは水も流れているし、魚の動きもますますリアル。魚の種類は、大幅に増えて70種類になりました。敵の動物も増えております(笑)。釣り方も道具も増えましたし、同じROMで遊んでいる友達や家族に絵はがきが出すことができ、何よりも釣りノートという新システムで図鑑らしさが増しました。自分がどんな魚を何匹釣ったかがわかるようになったんです。

 

釣りノートという図鑑の要素が追加されました。

 

また釣った魚の大きさが競えるハイスコアボード的な看板がフィールド内に用意されました。つまり、今でいう釣りゲーの要素が『川のぬし釣り2』で揃いつつあったんですね。それと、『川のぬし釣り』に比べて格段にユーザーインターフェースがよくなりました。村人等に話しかけやすくなったし、RPGの要素も苦じゃなくなりました。むしろ楽しい。そんなこんなで『ぬし釣り』シリーズは、釣りゲーの定番となっていきます。

 

フィールド上で確認できる魚の大きさランキング。

 

1996年7月19日には、海水魚釣りに挑む『海のぬし釣り』がスーパーファミコン向けに発売されます。『海のぬし釣り』では、魚の種類も100種類を超え、魚に合わせて仕掛けも豊富になりました。しかも夜釣りや、船に乗ってトローリングも楽しめます。また、釣った魚を猫にあげると、なんと水槽のような光景で見られるという鑑賞用のシステムが組み込まれました。いやはや、釣りゲーに必要な要素はついに揃ったという印象です。

 

ゲームシステムは『川のぬし釣り2』とほぼ同じ、海バージョン。

 

また、1997年8月1日には、『つり太郎』の海水魚釣りバージョン『ふね太郎』も出ています。

 

海バージョンの『海のぬし釣り』外伝。

 

さらに『ぬし釣り』シリーズは、様々なタイトルがゲームボーイ、ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイカラー、PlayStation、PlayStation 2、ニンテンドーDSにまで移植、リメイクされるまでに成長しました。もう、個人で全タイトルを追うのは難しくなってしまいました……。

 

『川のぬし釣り2』に見た釣りゲームの将来のカタチとデジタル理想郷

 

『川のぬし釣り2』にハマりにハマった髙橋は、その後も『ぬし釣り』シリーズのいくつかのタイトルにハマり、そしてより理想的な釣りゲーを求めて、さまよいました。そんな中で、今、髙橋の中で最も理想的かつ完成形といってもよい釣りゲーは、任天堂の『どうぶつの森』シリーズなんじゃないかという結論に行き着きました。

 

『とびだせ どうぶつの森』で釣れる魚はかなり豊富かつリアル。

 

『どうぶつの森』シリーズ内の釣り要素はゲームの主ではないので、あれを釣りゲーのカテゴリーに入れるのは無理があるかもしれませんが、あのほのぼのゲームの中にはしっかりと釣りゲーが組み込まれているのがすごいです。毎度、どんな魚が釣れるかわからないし、釣った魚は図鑑に登録されるし、博物館に寄贈した魚類は立派な水族館として見られるし、そのコンプリートが何よりも楽しいですよね。また、友達同士で魚の交換もできるじゃないですか。釣り大会の要素も軽くあるし。

個人的には、今後流行るメタバースが登場するとしたら、本気の釣りゲー要素が組み込まれたものが必ずや成功すると思っています。さまざまなメタバースが誕生して久しいですが、なかなか理想的なメタバースが出てこず、どれもあまり面白くないのは、そういう遊び心が欠けているからなんじゃないかなーと思ったりもします。

早い話、もう『とびだせ どうぶつの森』のコミュニケーション要素を拡張して、互いの島をもっと自由に行き来(今以上に)できて、SNS要素を強化してくれたら、それこそが理想的なメタバース、デジタル理想郷になると思うんですよねー。『どうぶつの森』の中で、マルチにみんなで釣り大会をして、釣った魚の大きさや数を競いたいなぁと思ったりもしています。

 

釣った魚を寄贈すると博物館内の水槽が充実していくのが楽しい。

 

『髙橋ピョン太のおニューもレトロも』の第8回では『ぼくのなつやす』シリーズを紹介しましたけど、あのゲームシリーズも、そしてその中で紹介した『クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」〜おわらない七日間の旅〜』も、髙橋の中では全部釣りゲーです。だって中の釣りゲー要素も面白いし、だからこそ長く遊んじゃうし。とそんなことを考えながら、2024年に何度目かの『川のぬし釣り2』を遊んでおります。髙橋、まだまだ釣りますぞー。

 

クレヨンしんちゃんも釣りを楽しんでいます。

 

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著者紹介
髙橋ピョン太

1980年にフリーでパソコン用ゲーム開発を開始。『ボコスカウォーズ』PC-8801版の移植の仕事をきっかけにアスキー専属プログラマーになり、80年代前半~90年代にアスキーのパソコン雑誌『ログイン』の編集者に転向。
その後は、どっぷりと編集につかり、『ログイン』6代目編集長を経て、ゲーム、IT系ライターとなり、現在に至る。Xではレトロなハードやゲームについてつぶやいています。
髙橋ピョン太のX(https://twitter.com/pyonta)

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