『没ゲーム』はどんなメーカーにも多かれ少なかれあると思います。
関わっていた作品が没になると、いたたまれない感情というものが湧いてきますね。
今回はアルファ電子時代の個人的に印象深い没作品を紹介します。
◆ 鳩野さんにもうちょっと聞いてみました! ◆
・「ロケテストでのインカム」「他社の類似品」以外の理由で、制作中のゲームがリリースされないことはありますか? あるとすれば、それはどのようなことですか?
社長企画で実際に作られていた『VSサッカーピンボール』という対戦型ピンボールがあったのですが、これは構造上の問題で没となりました。
どんな問題点があったかは図でご覧ください。社長の企画原案書も上げておきます。
世界初公開!(あたりまえ) 『VSサッカーピンボール』の企画原案書がこちら!!
▲そして没の理由をわかりやすく図解してもらいました。なんだかんだ、エアホッケーってよくできてるなァ…と思いますね。
・没ゲームのデータ(サウンドやグラフィック)は後のゲームに流用されることが多いのでしょうか?
BGMが流用される事はかなりレアケースでした。
私の知る限り、ADKでは『アミダス』の曲を『ラギ』で使った以外知りませんから。
実は音響さんにこの話をした時、一度はお断りされたんですよ、BGM丸ごとはイヤだって。
でも何とか口説き落として、イントロだけ使用させて頂きました。
グラフィックの流用例としては『押し出しジントリック』のスタートの文字アニメーションが『BOBOM』という爆弾を投げ合う対戦型アクションゲームの物を使用させて頂いたというのがありますが、これもレアケースですね。
・アレンジ(調整や部分改修)で没を回避、あるいは再リリースに至るゲームもあるのでしょうか?
運良く没ゲームだったところを回避した例としては、NEO-GEO CD専用のオリジナルゲームを発売しなくてはならないといったタイミングで白羽の矢が立った『押し出しジントリック』と『クロスソードII』(販売タイトル名称は『クロススウォードII』に改題)の2本ですね。
没ゲームとは少し違いますが、『ゴールドメダリスト』はロケテストまではトラックボールだったんですよ。でも、けが人が続出したのでボタンに変更となりました。