社長の考えるゲーム企画とは…?

アルファコラム第4回のカットです

アルファ電子の企画会議では2~3本にGOサインか次回の会議までに詰める課題が出されます。
そのうちの1本は暗黙の了解で社長が提案したものか、あるいは息の掛かったものが通る事になっていました。
いわゆる『社長枠』というモノで、若手プランナーの登竜門と言うか通過儀礼みたいな感じでしたね。

『ラギ』の原型となった社長企画は、
①ダルマが登場する
②アスレチックをする
③ボスがいる
④色々なアイテムがある
というコンセプトでしたので、それだけを残して他は全部構築し直しました。

この為、他の企画部員からは『社長企画を乗っ取った』と揶揄されました(笑)。

◆ 鳩野さんにもうちょっと聞いてみました! ◆

新井社長の企画はどれくらい製品化しましたか?

企画会議には暗黙のルールで社長枠的なものがあって誰かがその貧乏くじ(失礼)を引く事になります。
『ジャンボウ』や『ポケットエステ』『ジントリック』もそうですね。
…と言っても、私が請け負ったものはほぼほぼ原形を留めていないですが(笑)。
没ゲームも多いですが、発売まで行ったのは10本くらいあります。
昭和から平成初期の社長としては結構な企画数になりますね。

一番最初の企画原案はどういうものなのでしょう?

これは見て感じて頂いた方が早いですね。
ざっくり説明するとダルマが転がってアスレチックをクリアし、各ラウンドのボスをアイテムで倒して、最後はダルマ大王になるというゲームです。

アルファ電子の社長企画書その1ですアルファ電子の社長企画書その2です
▲これが新井社長の企画原案。ホントにものすごくザックリした内容で、これが『ラギ』になったとは、にわかに信じがたいです…(笑)。

企画がスタートしてから新井社長が開発に意見を出してくることはありましたか?

ロケテストのインカムを上げる方法として二人同時プレイを入れるよう指示したくらいでしょうか。
そのお陰でMAPに対してかなりの大手術を1週間で行う事になりました。

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著者紹介
鳩野 高嗣 (はとの たかし)

フリーランスのゲーム制作者・グラフィッカー。 タイヨーシステム(カルチャーブレーン)~アルファ電子(ADK、フォンキャスト)~TENKY~dropといったキャリアを経て、現在に至る。
アルファ電子には1986年から2001年まで在籍しており、同社の黄金期から末期までの歴史・実情を知る人物である。 関わった作品は『ラギ』『痛快GANGAN行進曲』『ワールドヒーローズパーフェクト』『テニスの王子様-SWEAT&TEARS-』シリーズ、『マイネリーベ2』など多数。

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