サークル:Pot STUDIO様の【僕らのゲーム音楽 KONAMI編】を読んで曲を作ってみました

弊社通販サイトであるTiny BEEPにて好評販売中のサークル:Pot STUDIO様の【僕らのゲーム音楽 KONAMI編】。今回は実際に読みながら曲を作り、mmlでFCの音源で再生出来るところまでやってみました。

 

 

私はファミコンと言えば初代グラディウスが小さい頃の思い出のゲーム作品です。ゲームを買ってもらえなかった当時、親戚の家で遊ぶファミコンソフトといえばコレでした。また、グラディウスシリーズではIIが一番好きなので、今回はグラIIっぽい曲をファミコンの初代グラディウスっぽく作る、というのを目標にしてみました。

ファミコンの初代グラディウスは内蔵音源のみで演奏されているのがよくわかる音色で、またそのファミコンの音色がBeginning Of The History(空中戦)とChallenger 1985(ステージ1BGM)の雰囲気ととてもピッタリだと思っています。あの「宇宙で冒険が始まる」感じ、ワクワクしつつも宇宙空間から連想される不気味な怪しさを表現している空中戦のあの感じがファミコンの音色にマッチしていますよね。・・・内蔵音源だけのはずなのに圧倒的表現力で演奏されるグラIIも言わずもがな最高なのですが、何分mml初心者なものであんなことは出来ません!今回はクオリティに関してはお許しいただければと思います。

 

さて、今の時代は作曲を行うにあたってPCがあれば簡単に出来るようになりました。私はたまたまmacのlogicというソフトを持ってたので、今回も曲の原型はそれで作ることにしました。logicのような有料ソフトでなくとも、フリーでもこういったDAWソフトはあるようなので、気になった方は是非検索してみてください。楽譜が読めなくても曲が作れるように作られているので、本当に誰でも始めてみることが出来ます。

ファミコンの内蔵音源は矩形波×2、三角波、ノイズの4つだというのは有名ですが、初代グラディウスの空中戦~ステージ1BGMは聞いてる限り恐らくノイズを使わない3音以内にて作られているので、それにならって3音以内でまずは考えました。

グラIIだとBurning Heat(ステージ1BGM)が大好きなので、それを目標に【僕らのゲーム音楽】に書かれている内容を取り入れつつ簡単に作ったものがこちらです。

 

シンセ2音 + ベースのみ(シンセとベースの音色はLogicのプリセットから全く弄っていないのであしからず。)

 

個人的には少しそれっぽいのではないかと思っていますが、いかがでしょうか。とはいえ、やはり【僕らのゲーム音楽】内の佐々木様の譜面を見、Youtubeの佐々木様の作例を聞き、Burning Heatを聞き~で作りましたので、同じようなところが多々見受けられるのはご愛嬌ということで。

次にこれをmmlにて打ち込む際に楽になるよう楽譜に起こしました。楽譜を書く事には慣れていないのですが、そこはさすが最近の作曲ソフト、自動で楽譜にしてくれました。

その譜面がコチラになります。

シンセ + ベースのみの譜面(PDF)

 

すでに僕らのゲーム音楽をご購入されている方は私がどの要素を盛り込んだのかまずは探してみていただければと思います。ちなみにすべては盛り込めませんでした。力不足です、今後も勉強します。

さて、この楽譜のPDFデータをプリントアウトし、打ち込み時にわかりやすいように各音符の下にCやGなどといったアルファベットを書いていきます。

 

汚くてスミマセン。

このCやGがドレミファソラシドのmmlでの表記で、Cがド、Dがレ、Eがミ、Fがファ、ソがG、ラがA、シがBとなってます。ギターなどをやっている方にはコードの名前でお馴染みですね。ちなみに、日本語だとハニホヘトイロがドレミファソラシでして、これはハ長調やト短調などと言う時に使われています。余談でした。

さて、では早速mmlで打ち込んでいきましょう!mmlは一度簡単にやったことがある程度だったので、mmlを打ち込むにあたってはmck wikiさんを参考にしました。

まずはmck wikiさんにあるように、サクラエディタ、KbMedia Player、ppmck、VirtuaNSFを用意しました。サクラエディタはmmlを打ち込む際にWindowsのメモ帳だとほんの少しやりづらさを感じてしまったのでこちらを、KbMedia Playerはnsfファイルの再生用、ppmckはサクラエディタで作ったmmlファイルをnsfに変換するもの、VirtuaNSFはnsfをmp3に変換するためです。と、書いていて気づいたのですが、nsfの再生とmp3変換が出来るVirtuaNSFがあれば今回はKbMedia Playerがなくても大丈夫そうですね。

準備が終わったら早速打ち込みに入るわけですが、今回は料理番組よろしく打ち込み終わった曲のmp3とリストを公開させていただきます。

FC音源版

———————————–

ABC t235
A @0 o3 l8 v10 
B @0 o3 l8 v7 D-1
C o3 l8 

A cg>c<f>de
B cg>c<f>de
C cg>c <f>de

A [@0 o4 l8 v10 D-0
B [@0 o4 l8 v7 D-1

A fed>cdec4.cde
B fed>cdec4.cde
C [[<crc>crc]2
A f2.e4.d4.
B f2.e4.d4.
C <drd>drd<drd>drd
A <fed>cdec4.cde
B <fed>cdec4.cde
C <ere>ere<ere>ere
A f2.g4.f4.
B f2.g4.f4.
C <frf>>c<afgrg>d<bg

A <fed>cdec4.cde
B <fed>cdec4.cde
C <crc>crc<crc>crc
A f2.e4.d4.
B f2.e4.d4.
C <drd>drd<drd>drd
A <fed>cdec4.cde
B <fed>cdec4.cde
C <ere>ere<ere>ere
A f2.g4.b4.
B f2.g4.b4.
C <frf>c<af>d<bgeg>d

A @3 l8 v10 D-1
B o5 l8 v5 D-0

A >c2.c4<b-4a-4
B [>c<geceg]2
C <[c>c<]6
A g2.e4.g4.
B [gd<bgb>d]2
C [g>g<]6
A fefg1^8
B [fc<afa>c]2
C [f>f<]6
A aa-ab1^8
B gd<bgb>d>b<gd>d<bg
C [g>g<]3a>a<ab>b<b

A >c2.c4<b-4a-4
B [>c<geceg]2
C >[c>c<]6
A g2.e4.g4.
B [gd<bgb>d]2
C <[g>g<]6
A fefg1^8
B [fc<afa>c]2
C [f>f<]6
A aa-ab1^8]4
B gd<bgb>db>gf<dbg]4
C [g>g<]3b>b<b>d>d<d]4

 ———————————–

今回はmmlの内容は深く解説出来ませんしません。簡単な解説と曲のその部分をなぜそうしたのかだけ書こうと思います。詳しいmmlや音楽の理論に関してはそういった専門サイト様の方が断然詳しくわかりやすいので、気になった方は是非お調べください。

まず頭から見ていきましょう。

ABC t235
A @0 o3 l8 v10 
B @0 o3 l8 v7 D-1
C o3 l8 

ここではテンポと音色を指定しています。t235がBPM 235ということです。最初に作ったシンセのmp3より少し早くなっています。音楽は個人個人感じ方が違うのであくまで私の感じた印象になるのですが、先に作ったシンセ版と打ち込んだファミコン音源だと同じテンポにも関わらずファミコン音源の方が遅く感じたのでテンポを上げてみました。

その次の各A B Cの横の記述はそのトラックの音色や基本の音の長さを決めています。矩形波のAとBは@の後に0~3の数字を入れることで音色が変わりました。o3は音の高さの指定で、l8は基本的な音の長さの指定、v10やv8は音量の指定で、D-1はチューニングを少し弄ることが出来るそうです。三角波のCは音色と音量の指定が出来ないようなので、音の高さと音の長さだけの指定となっています。

ここでAとBを比べた際の音量( v )の違いとBにだけD-1が掛かっているのは、曲の最初の方でAとBは同じメロディを演奏するのですが、こうすることによってBが若干ずれた音で同時に再生されてKONAMIっぽい音になるからです。本当に単純な発送なので厳密にはもっと違うのかも知れませんが、とりあえず”それっぽさ”を出したかったのでこうしています。それっぽくなっていますでしょうか。

さて、これより下は楽譜の音符を打ち込んでいる部分になります。ここの書き方は人それぞれで、私はとりあえず各パートを重ねた上で4小節ずつに分けてみました。若干編集しづらかったりしたので、これは次回以降の課題とします。皆さんも自分の書きやすいやり方を模索してみてください。

A cg>c<f>de
B cg>c<f>de
C cg>c <f>de

一番最初の部分です。曲の始まりということもあり、三角波のベースとメロディーを同じ動きにすることで音に厚みとワクワク感を出そうとしてみました。AとBの若干ズレた音も相まって厚みを出すことには成功しているのではないでしょうか。

ここに登場する音以外の文字である”>”と”<“。これはその後に続く音のオクターブを変化させる記号で、”>”で1オクターブ上、”<“で1オクターブ下に移動します。ここで注意しなくてはならないのは、1オクターブ移動させた後にまた元の高さで演奏させたい場合、再度戻す指定をする必要があることです。

今回は楽譜を見るとわかるように

音だけで言えば cgcfde(ドソドファレミ)ですが、最初のドから見て次のドが1オクターブ高いので “>”を入れ、次のファがまた最初のドと同じ音の高さなので”<“にて戻し、その後のレとミはまたオクターブ上なので”>”となり、結果”cg>c<f>de”となるわけです。一見、頭がこんがらがりそうですがやってみると実はなんてことないです。

次はその次の3行です。

A fed>cdec4.cde
B fed>cdec4.cde
C [[<crc>crc]2

これは次の1小節分で、これはBurning Heatの譜面を見てもらうとほぼ同じようになっているのがわかります。簡単にそれっぽさをだす際にはメロディーの動きもマネてみて良いと私は思っています。模倣することで学ぶこと、身につくことがあるのはどんなことでも一緒ですね。先達の技術、手法をマネて多いに身に着けていきましょう!また、【僕らのゲーム音楽】にて紹介されていたテクニックの1つを使い、ベースもメロディ同様グラディウスっぽくするために”タッタタッタ”と三連のリズムで動かしてみています。

ここでは音階以外に” 4. “、” [] “、” r ” が出てきます。順番に簡単に解説します。

“4.”は音の長さを指定しており、数字とピリオドが音の長さを表しています。数字がそのまま○分音符を表しており、ピリオドは付点となっています。付点とは前の数字の半分の長さを加えますよ、といったもので、4. でいうと4分音符にその半分の長さの8分音符分を加えた長さになります。

“[]”は反復記号で、]横の数字にて何度繰り返すのか指定しています。これを使うと打ち込みが楽になるのですが、多様し過ぎるとどこでエラーを起こしているのかわかりづらくなることがありましたので気を付けてください。

“r”は給付を表しています。この横に通常のcdefgabなどと同様に数字を付けることで長さを指定できます。r4だと4分休符となります。

 では次に参りましょう。

C [[<crc>crc]2
C <drd>drd<drd>drd
C <ere>ere<ere>ere
C <frf>>c<afgrg>d<bg

1小節目から段落が分かれる4小節目までのベースを抜き出してみました。今回は3小節目(三段目)までは全音で上昇をしています。本当だったら下降させたかったのですがあまりに佐々木氏の作例そのままになってしまうので少し捻くれて上昇させてみました。下降させる時と比べ通常のキー内の音で動いている分それっぽさが薄まってしまったように感じます。

次に一気に移って43段目、Bメロに入ります。

A >c2.c4<b-4a-4
B [>c<geceg]2
C <[c>c<]6

まずAは引き続きメロディを、Bはアルペジオにしてみました。このアルペジオは初代グラディウスのステージ1リスペクトのつもりです。Cのベースがオクターブ移動を繰り返していますが、これはBurning Heatをマネてみました。そしてAのメロディ部分後半の”c4<b-4a-4″は【僕らのゲーム音楽】にて紹介されていたテクニックの1つを使い三連のリズムとしてみました。

ここで出て来る”-“はその音をフラットさせています。これは指定し直さなくてもその部分だけなるようなのでオクターブと違い安心ですね。

と、以上が今回作った曲の簡単な解説になります。

どうでしょうか、少しでもグラディウスっぽく聞こえたなら幸いですが・・・。

やってみて思ったのが、個人的には作ってしまった親心補正で少しは似ていると思えてしまっているのですが、それを抜きにしてもやはり本当にそれっぽい曲は一朝一夕では作れないということと、でもポイントを抑えることで何も知らないよりはとっつきやすく、どうすればいいかが明確になって作業にあたりやすいということです。

各ゲームのオリジナルを作曲された方々は偉大であり、その音楽的センスやテクニック含め簡単に手に入るものではないなんて当然のことなので、これをきっかけにFC用音源の打ち込みを勉強してより完成度の高い曲を作りたい、などと少し目標も出来てしまいました。

 

今回、少し【僕らのゲーム音楽】で使われているテクニックを紹介しましたが、実際にはもっと解説されています。グラディウス以外のタイトルもそのゲームによって特徴が当然違うのでそれぞれを解説されていてとても読み応えがありました。

気になった方はぜひご購入ください、音楽を作るのは本当に楽しいですよ。

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また、 BEEPではゲームサントラCDやファミコンソフトの買取も随時行っております!

今回ブログを書かせていただきました私も普段は査定を担当しております。皆様の思い出の詰まったゲームサントラやファミコンソフト、もし整理をご検討されていましたら是非一度拝見させていただけませんか?

FC版グラディウスIIでしたら、箱説付で通常中古程度の状態で1500円、カセット単品でも300円にて買取を行っております。価格表にいない私の思い出のアルキメンデス版でない初代グラディウスも買取を行っておりますので、よろしければ一度ご相談ください。

ファミコン/ディスクシステム高価買取リスト

 

また、サントラでも例えばグラディウスアルティメットコレクションは帯などの付属品も完備でしたら4500円、グラディウス外伝は5000円となっております。

 ゲームミュージックCD高価買取リスト

 

【僕らのゲーム音楽】を読んで作曲を試みてみたり、寝る前にPS4のアケアカでグラIIをプレイしている私が拝見させていただけるかも知れません。是非皆様からのご連絡をお待ちしております。

 以上、拙い技術にてお送りしましたが、また機会があればチャレンジして結果をご報告出来ればと思っています!

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