本日は弊社通販サイトであるTINY BEEPのアイテムをご紹介いたします。
今回は、先日販売を開始したばかりのPot STUDIO様の『僕らのゲーム音楽』の新刊、【僕らのゲーム音楽 namco編】をご紹介いたします。
今回はnamcoのゲームミュージックを、理論的な部分だけではなく、佐々木氏なりにそのルーツとなったであろう音楽ジャンルまで掘り下げて解説されています。
まず『マッピー』や『ニューラリーX』といった時代のnamcoのゲームミュージックと古き時代のアメリカンミュージック(ジャズやブルース)に共通性があると語られるところから本書はスタートします。
実際に各ゲームタイトルの解説項にて譜面を目で追いながらゲームミュージックを聞き、そしてその後に佐々木氏が挙げられた各ジャンルのスタンダード・ナンバーや似た進行・メロディの取り方をしている楽曲を聞いてみるとその類似点と解説に納得させられてしまい、興奮のあまり一気に聴き比べながら読み終えてしまいました。本書内のnamcoのゲームはどれも往年の名作タイトルであり、空で口ずさめるほど有名な楽曲たちですが、分析をしようと意識して聞いてきたわけではないので「namcoらしいポップなゲーム画面・ゲームキャラクターに合う、可愛くてオシャレな楽曲」などという浅い捉え方しかしてきませんでした。今後はゲームミュージックではなく単純にジャズの大御所であるLouis Armstrongなどを家で聴く時に受けるイメージすら、どこかにゲームミュージックを思い浮かべてしまったりと普段の音楽の聴き方すら変わってしまいそうな気がしています。笑
また、後半では『ゼビウス』などからテクノ・ミニマルとの関連性、相性について触れられており、『マッピー』などと違ったnamcoミュージックの魅力に迫ることが出来ます。ただの単純な音の羅列に過ぎないのであれば、ゼビウスのBGMもあそこまで印象に残るものではなかったでしょう。それは『ゼビウス』というゲームと合わせた際により強く感じられる神秘的な魅力があるからなのはもちろんなのですが、ではなぜ聴き心地が良いのか、無機質に感じられつつも親しみのある理由は一体なんなのか・・・?『ゼビウス』はクリシェを使った進行になっていると本書で言われておりますが、なるほど確かに作曲時にクリシェを用いるとその部分は耳障りの良い物になりますので、そういったこともあり『ゼビウス』のBGMは「なんだか音が鳴なってる」のではなく「BGMたり得ている」のだな、などと思わされました。
本書の様にルーツを辿る、というのはその楽曲を理解するのに非常に重要な行為です。その楽曲に対しての理解が進むだけでなく普段音楽を聴く時に得られる情報量やそれに関する思考時間が増えますので、より音楽を聴くという行為自体の楽しみが増えていきます。
私もゲームミュージックが好きでサントラを聞いたりしていますが、やはりこういったゲームミュージックを掘り下げて聴く、曲を理解する、というのは本当に楽しいものです。曲を作る時にも参考になりますしね。
また、本書でも中で語られた理論やジャンルを踏まえた上で佐々木氏が作られた楽曲がYOUTUBEにて公開、譜面も掲載されておりますので、KONAMI編と合わせてお読みいただき、ツボを抑える大事さを知っていただければと思います。
好きなゲームの楽曲への知識を得るだけではなく、作曲する際にも非常に勉強になる本書、是非読んでみてください。
次巻もあるのでしょうか?期待大ですね!