キーボード一体型MSX2以降に使われているフロッピーディスクドライブの大多数は駆動にゴムベルトを使っています。そして時間が経っているとゴムが劣化し、硬くなったりしフロッピーディスクドライブが動かなくなってしまう可能性が非常に高いです。今回はその場合どうやってフロッピーディスクドライブ内部にあるゴムベルトを交換するか、写真を交えご紹介致します。
まず必要なのはMSXturboR本体以外ですとプラスドライバーとゴムベルトさえあれば交換までは行えます。このドライブはMSX2+のFS-A1WX/FX/WSXとMSXturboRのA1ST/GTにて使われているので上記の機種は全く同じ手法で修理ができます。またゴムベルトのサイズが違いますがソニーのMSX2+、HB-F1XDJ/XVでも同様の手法で修理可能です。
パナソニックの純正ゴムベルトの品番はDFWV75C0009、品名はFDDベルトです。MSX用としてではなくワープロの保守部品として残っているらしいですね。入手当時はパナソニックの営業所へ問い合わせをしました。
そういえばソニーも昔同様のサービスをやっており、約10年前ソニー系の電気屋経由で入手しましたがパナの2~3倍の値段がした事を覚えています。
ゴムベルトが準備出来たら早速分解してみましょう。(念の為ですが自己責任でお願い致します。)また今回の作業はネジの管理を部品ごとに養生テープで固め行いました。今回の作業はネジの管理を部品ごとに養生テープで固め行いました。これによりネジが失くなりにくくなりますので参考にして頂ければと思います。(使い終わった養生テーブルは机の清掃にも使えます。)
まずは本体を裏返し、端に止まっている5点のネジを外します。
ネジを外しましたら次は上蓋を取り外します。固定されているので取り外す際には力が入りますが入れ過ぎると破損の恐れもありますので気をつけて開けて下さい。
このままですと完全には外れないので繋がっている3つのコネクタを取り外します。(3つのコネクタは形状が違うので誤って別のコネクタを挿すという事はありません。)
今回分解清掃を行うのはこのフロッピーディスクドライブ部分になりますので、まずは本体と繋がっているフラットケーブルを取り外します。
ドライブの四隅+固定されているマイク端子を取り外し、ひっくり返したのが下の写真になります。
ネジが混ざらないよう管理しつつ開けると中はこの様になっていました。
近づいてみますとゴムベルトが溶け、全て小さなプーリー部分に固まっています。これはゴムも固まっていた為、まだアタリの方でマイナスドライバーで触ると簡単に取れます。ゴムがベトベトになっている場合は時間が掛かりますが気合を入れて除去して下さい。
ゴムベルトを取り外した後は小さなマイナスドライバーなどで両方の残りカスを除去し、綿棒とエタノールで掃除をします。清掃が終わったら新品のゴムベルトを装着する作業に当たります。
写真手前のネジで固定されていた白いプラスチック部分を「小さめのプラスドライバー」で外します。当初使っていた一般的なサイズのドライバーでも出来ますがネジ穴を潰す可能性があります。
プーリーにゴムベルトを装着し、何回か手で回してみてもベルトが外れなければ交換作業は終了です。あとはあった通りに部品を組み上げます。組み上げたらゲームソフトを起動させてみたり、BASIC画面から「CALL FORMAT」でフォーマット出来るかを確認し両方共問題がなければ作業が完了です。
※2018年12月からBEEP通販部にてパナソニック社製MSXのFDD用ゴムベルトの販売が開始されました。https://www.beep-shop.com/ec/products/detail/1043