メーカー:アスキー
機種:MSX1
媒体:1メガROM
発売日:1987年7月頃
アスキーの、カプコンアーケード作品移植の第二弾は戦場の狼です。
主人公スーパージョーが、自動小銃と手榴弾で戦場を突き進む任意縦スクロール型のアクションシューティングです。当初、1942の発売直後にMSX1版とMSX2版がリリースされる予定でしたが、半年以上経ってようやくMSX1版が発売されました。アーケード版からの移植の為、すでに発売されていたファミコン版のように地下室やパワーアップはありません。
MSX1という事でグラフィックもあまり綺麗では無いのはしょうがないのですが、ゲームスピードがとても遅く、遊ぶのがかなり苦痛になってしまってます。敵が複数出現した時のスプライトのちらつきも酷く、敵弾が背景に溶け込んでしまっているので気が付かないうちにやられてしまいます。
MSX1はスペックの都合上劣化移植が多く、その為他ハードユーザーから笑われたユーザーも多いと思いますが、それでもコナミなど一部のメーカーは工夫した移植をしておりました。しかし戦場の狼は、「いくらMSXでもこれは無いだろう」という出来で、悪い意味で必見なゲームとなってしまいました。
唯一誇れるのは、FM音源カートリッジMSX-AUDIOに対応している数少ないゲームという点でしょうか。しかし、アーケードとMSXのFM音源の違いとは言え、MSX版の曲はかなり手を抜いた残念な打ち込みとなっていて、現在では入手困難な MSX-AUDIO をわざわざ用意するほどの物では無いです。
さてMSX2版の方ですが、一応画面写真は公開されていたものの、広告では何度も発売延期となり、最終的には「制作進行中」という表記になった後、いつの間にか立ち消えとなってしまいました。またもう一つ、魔界村もMSX1版とMSX2版が発売予定になってました。PC-88など他の8bitパソコンには発売されましたが、案の定MSX用は発売中止となりました。
横スクロール機能の無いMSX1とMSX2に、横スクロールのアクションゲームを出すのは、戦場の狼の移植以上に無謀と思いますが、画面切り換えだったのか、それとも無理矢理スクロールさせようとしたのか、見てみたかった気もします。