アーケードゲームと同じ感覚で楽しめることで、ゲームセンター勢から支持を集めた家庭用「MVS」(Multi Video System)こと『ネオジオ』。
しかし、その分価格が高かったため、多くのプレイヤーとっては「高嶺の花」ポジションでした。
それ故に現在では非常に数が少なく、コレクター需要も高いことからソフト全体が「レアゲーム」と化しています。
この度、貴重なネオジオソフトのコレクションを、東京都中野区のお客様よりお譲りいただきました。
主力の格闘ゲーム以外にも、珍しいタイトル盛り沢山でしたので、前後編に分けてご紹介します!
餓狼伝説 宿命の闘い
「ストリートファイター」シリーズと双璧をなす、90年代格ゲーブームの火付け役ともいえる作品です。
初代「ストリートファイター」のスタッフである、「西山 隆志」氏と「松本 裕司」氏のタッグが「精神的続編」として制作したエピソードは界隈でも有名です。
ステージセレクトやアクションゲームとしての側面が強い重めの挙動、個性豊かな敵専用ファイターといった要素は引き継がれていますが、2ラインシステムによる奥行きのある戦闘は新鮮で、ボーナスステージの腕相撲も、アーケードゲームを思わせる印象的な演出でした。
必殺技も1種類を除いて、コマンドが隠されておりステージクリアする後に判明していく仕様です。
やけに威力が高いことや、入力判定の厳しさは「スト1」を感じさせます(笑)
2人プレイのをする際も乱入後共闘CPU戦からスタートし、その後に1v1の対戦に移行する風変わりなシステムをしています。
結構難易度が高いので、これを繰り返すことでCPU戦を進めた人も多いかと思います。
ラスボスはシリーズ名物の「ギース・ハワード」で、袴に金髪オールバックという日本かぶれのアメリカ人となっています。
そのインパクト絶大のキャラクターデザインと、強力なカウンター攻撃の当て身投げでプレイヤーたちの脳に強烈な印象を刻みました。
毎度死んだと思わせて生きていたり、字幕の日本語ミスやゲーム中ボイスのカタコトさをよくネタにされており、シリーズ屈指の人気キャラクターとなりました。
餓狼伝説2 新たなる闘い
「ストリートファイター2」の人気に乗じて、リリースされたシリーズ2作目です。
「100メガショック!ネオジオ」という有名なキャッチコピーで売り出された2本目のソフトでもあります。
当時、大容量とされていた100MbitROMを使用することで表現力やグラフィックが格段にパワーアップしています。
前作ではできなかった2ライン移動も任意で可能となり、100メガショック第一弾の「龍虎の拳」から、超必殺技システムも引き継がれよりダイナミックな駆け引きが実現しました。
キャラに関するエピソードが事欠かないことで有名で、特に前作から続投している「アンディ」の「残影拳」の性能は連発しているだけでハメられる凶悪な性能で格ゲー史に刻まれています。
「せんべい」を投げながら相手を固めて投げ技を差し込む柔道家「山田十平衛」や、凄まじい性能の超必殺技を持つ、正義のテコンドー使い「キム・カッファン」等の新キャラも登場しました。
また、「ストリートファイター」シリーズの「春麗」と並び称される、格ゲー界のMs.女性キャラ「不知火 舞」も本作からの登場となっています。
後に調整バージョンの『餓狼伝説スペシャル』がリリースされ、そちらは現在でも多くのプレイヤーに愛される名作となりました。
餓狼伝説3 遥かなる闘い
ラインシステムを一新して、シリーズの更なる躍進を図った4作目です。
特定のボタンの組み合わせで、連続コンボを簡単に繰り出せる「コンビネーションアーツ」や超必殺技のブラフを行う「フェイント」等、対戦に重きをおいたシステムが追加されました。
3ラインシステムとなり、スウェーをつかったテクニカルな移動の駆け引きを楽しめるようになった…といいたいところなのですが、これが不評のもとに。
調整不足によって、スウェーを使った逃げ戦術を行うことで圧倒的に有利になる点や、特定のキャラクターの永続ループコンボ等、ある意味「伝説」となってしまいました。
遥か昔、私が中古ショップで「ネオジオCD」のソフトを買いあさっていた頃、そういった事情知らずに本作を購入し、がっかりしたのは今でも覚えています(笑)
また、すでに「KOF」シリーズに「餓狼伝説」キャラが沢山参戦していたことも災いして、「わざわざ餓狼をやらなくてもいいか」という空気も相まってシリーズの中でも微妙なポジションとなってしまいました。
しかしながら、グラフィックのクオリティは高く、新しいキャラ衣装やステージギミックのこだわり等「ネオジオ」のマシンパワーを如何なく発揮しています。
新キャラである「ブルー・マリー」や「山崎」といった、「KOF」でもおなじみとなるキャラクター達も本作から登場しました。
2025年には数十年ぶりの新作が登場する『餓狼伝説』シリーズ、ぜひホームであるネオジオで振り返ってみてはいかがでしょうか?
次回は、格闘ゲーム以外のゲームもピックアップしつつご紹介したいと思います。
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