『プレイステーション』や『セガサターン』がリリースされた1994年は、有象無象のゲーム機達が登場した激動の時代…
そんな中でも、先駆けて登場し、嵐のように過ぎ去ったハードがあります。
『Welcome to R・E・A・L World!』
EAの創設者が提唱した3DO規格に真っ先に名乗りを上げた松下電器は、1993年10月、32bitマシン『Panasonic 3DO FZ-1』をアメリカで発売しました。
これは、PSやSSよりも1年近く早く、当時専門家に「仮に93年中に発売出来たら、牛が空を飛ぶようなものだ」と比喩されていたほどでした。
そして翌年の1994年3月20日に、「黒船襲来」と言わんばかりに日本に上陸しました。
この度は、そんな3DOのコレクションを北海道札幌市のお客様より、お譲り頂きました。
ご依頼自体がとても少ないハードですので、この機会にご紹介したいと思います。
目次
3DO REAL FZ-10P
こちらの本体は、所謂後期型と呼ばれるモデルで『3DO REAL II』とも呼ばれます。
コストダウンによる低価格化と、故障しやすかったフロントローダー(トレイが出てくるタイプ)を、蓋のあるトップローダー型に変更しているのが特徴です。
というのも、3DOは「ゲーム機」としてではなく、「家電」(自称:インタラクティブマルチプレイヤー)として販売していたため、発売価格54,800円と超強気価格だったため、値下げは必要な対処だったのでした。
こちらの「キャンペーンパック」は3DOの最新タイトルの体験版を詰め合わせたCDが付属しているモデルで、29,800円まで値下がっています。
当初の価格を考えると、どれだけ苦戦していたかが伝わってきますね。
リアルパッドソルジャー 3DO
3DOのキラータイトルといえば、当時大人気だった『ストリートファイター』シリーズの最新作でした。その『スパ2X』が3DO専売であったため、渋々3DOを買った格闘ゲームファンも多かったと思います。
ですが、3DOの純正コントローラーはメインのボタンが5つしかなく、苦肉の策として、Pボタン(他ハードでいうところのスタートボタン)に割り振っている「パワープレイ」な仕様です。
それを解消するためにつくられたのが、カプコン公式から発売された本製品です。
3DOはコントローラーポートが一つしかないため、コントローラー側に追加ポートがついており、まさに「数珠つなぎ」状態です。
無限に繋げることができる点に関しては関心しますが、物理的な弊害が多く、扱いづらいものでした。追加ポートをコントローラーの線に移すことで解消しているのもナイスです。
THE野球拳スペシャル
「ムービーゲー」を主力に置いていた3DOもSSと並んでアダルト路線が強いハードです。
この作品は、SS版『THE野球拳スペシャル 〜今夜は12回戦〜』の3DO版になります。「ソシエッタ代官山」という、一度聞いたら忘れない名前のメーカーがリリースしたものです。
SS版と違い、よくわからない3Dのモデルがパッケージになっており、全く興奮しません…
(※個人の感想です)
ゲームはチープな仕上がりで、じゃんけんの手のモデリングも、なんだかイマイチな仕上がり。
しかも、登場する女優さんがSS版より4人も減っており、所謂「劣化移植」となっています。
スーパーリアル麻雀P4+相性診断
ACで人気を博していた、脱衣麻雀『スーパーリアル麻雀』シリーズの4作目で、その3DO移植版です。
ただの移植では収まらず、「相性診断」と呼ばれる登場する女の子との麻雀勝負を通じて相性を図るモードもあります。
こちらはかなり完成度が高く、過去シリーズ2作品の女の子が登場するので、ファンとしては嬉しいポイントです。
また、近年発売された『ニンテンドースイッチ』版と比較して最大の利点は、コンプライアンス的に白い靄で隠されている「イヤン」な部分が見えることです。
気になる方は、自分の目で確かめてみてくださいね!
アイドル麻雀ファイナルロマンス2 HYPER EDITION
こちらも『スーパーリアル麻雀』と同様に、ACで人気だった脱衣麻雀です。
リアル麻雀シリーズとの主な違いは、イカサマアイテムが登場することと、格闘ゲームのように対戦プレイが行えたことです。
『HYPER EDITION』と打ち出しているので、どのような移植かと期待してしまいますが、
「女の子の音声がなかったり」、「対戦モードも削除」されているという、まさに「ハイパー」級の「劣化移植」です。
苦肉の策なのか『おしゃべりCD』という、音声やボーナストラックが付属したCDがついていました。こちらが付属しているものは、かなり現存が少ないため3DOの「レアゲーム」の1つになっています。
ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー
その中でも特筆したいのは、『アンチャーテッド』や『クラッシュバンディクー』で有名なノーティドッグが制作した、実写取り込み2D格闘ゲームです。
残虐なトドメ技で対戦相手を葬る、非常にグロいテイストが特徴です。どこかで聞いたようなゲームですね(笑)
お世辞にも良い出来のゲームではなく、『モータルコンバット』フォロワーな作品ですが、
BGMはヘビィメタルの大御所である「ロブ・ゾンビ」氏のアルバムから引用しており、非常にかっこいいです。
また、このゲームがユニバーサルの目に留まったことで、『クラッシュ』シリーズが開発されたのですから、大きく歴史が動いた1本であることは間違いありません。
黒き死の仮面
PCにて多くの評価を獲得し、ホラーRPGのジャンルの草分け的存在になった『ゴーストハンター』シリーズ。
『ラプラスの魔』、『パラケルススの魔剣』はマニアの間では、名作と名高いです。実は、3作目が3DOでリリースされていました。
淡い水彩画で特徴的なイラストレーター「弘司」氏の、キャラクターデザインが光るシリーズなのですが、3DOは残念ながら「実写化」しています。
ゲーム全体に実写ムービーが挿入され、ホラーゲームとしての臨場感があったり一応メリットもありました。
声優さんの演技もなんだか棒読みで、ファンとしては「コレジャナイ感」がある仕上がりに。
ストーリー自体は面白いため、「今まで通りのキャラデザでPCで発売していれば…」、と非常に惜しい気分になる作品です。
3DOのように「インタラクティブ路線」で「実写」と「ムービー」に力を入れていた派閥は一定数いて、『Philips CD-i』や『Apple Pipin』(ピピンアットマーク)等、マイナーでニッチなハードが多いです。
競争に負けてしまったハードとはいえ、歴史としては面白く、何かしらのターニングポイントになっていたりします。
調べてみると、案外面白かったり、意外な発見があるかもしれませんよ!
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