1990年代は、各社がゲーム機をリリースし、シェアを競って進化をしていた時期といえるでしょう。
任天堂とセガの激突は激化し、『プレイステーション』を始めとした第三勢力の登場で群雄割拠となり、まさに『戦国時代』の様相を呈していました。
そんな激動の時代を駆け抜けた名「武将」ならぬ名「ハード」達を、この度宮城県仙台市のお客様よりお譲りいただけました。
『プレイステーション』や『ニンテンドウ64』の影に隠れていた、名(迷)ハードもありましたのでこの機会に紹介したいと思います。
セガサターン
先述した通り、当時の任天堂のライバルといえばセガでしょう。
『セガサターン』は1994年の年末に同社の『メガドライブ』後継機としてリリースされ、全世界で880万台売り上げました。
特徴としては、3Dと2Dゲームのハイブリッドな性能で、主にセガのアーケードの人気作の移植、2Dのシューティングゲームや格闘ゲームが数多く揃っていました。
審査の規制が緩かったハードでもあるので、アダルト路線のアーケードやPCゲームの移植も人気でしたね。
こちらは後期にリリースされた、通称『白サターン』とよばれる廉価版モデルで、コストダウンのため内臓のチップセット等が変更された関係から動作しないソフトがあるとかないとか…。
現代でも「セガの最新機種はサターンだ!」と比喩されるほどには、長くファンに愛されている「名ハード」といって差し支えないでしょう。
PCエンジンDuo-R
90年代初頭は任天堂の『スーファミ』セガの『メガドラ』、このNECの『PCエンジン』の三つ巴が繰り広げられていました。
その中でハイスペック化の波にいち早くのったのが、NECの『PCエンジン』でした。
『CD-ROM2』は家庭用ゲーム機での初めてのCDドライブ搭載機となり、注目を集めた周辺機器です。
こちらの『Duo-R』は『CD-ROM2』の後継機である『SUPER CD-ROM2』と『PCエンジン』をかけ合わせた、『PCエンジンDuo』の廉価版です。こちらも優先度の低い機能等を削減することでコストダウンしています。
CDドライブ初実装と、PCメーカーである強みを生かして、様々な美少女ゲームやアニメーション主軸のゲームがリリースされました。
ですが、その路線を強化しようとしたため、結果的にシェア競争から脱落していくことになります。
CDドライブが壊れやすいことで有名な本機ですが、今回お譲り頂いたものは元気いっぱいに稼働していて、非常に大切に遊ばれていたことを感じさせてくれます。
PC-FX
PCメーカーのNECらしい、デスクトップPCのような見た目をしている本機こそが先述した『PCエンジン』の後継機です。
その筐体デザインは非常に評価されており、一体感のある本体上部のCDドライブや、フロントのメモリパックスロットは今見てもシビれます。
同社のパソコンである『PC-98』シリーズとの連携も気合を入れており、PCの周辺機器的な要素も見受けられる斬新な仕様です。
アニメーション路線で進めるために、動画に強い性能となっており、宣伝用の美少女キャラクター『ロルフィー』を登場させる等、PCエンジンユーザーに多かったマニアの取り込みを図りました。
しかし、PCエンジンとの互換がないことや、3Dゲーム主流の市場に適応できず、1998年には残念ながら撤退することに…。
本体底部には、「メインメモリカートリッジ(仮称)」を取り付けることができるらしいのですが、実際にはリリースされず、どのような使用用途だったのかは今となっては謎に包まれています。
ネオジオCD
今なお格闘ゲームファンを熱狂させている『KOF』シリーズ。
そのSNKがゲーム機を開発していた背景は、当時のゲーマーの常識と言えるでしょう。
SNKの『ネオジオ』は、ゲームセンターと同じクオリティで楽しめるという触れ込みで、販売されました。
というのも、当時のゲーム機は性能が追いつかず、所謂「劣化移植」とよばれるものが多かったためです。
ですが、業務用基準の非常に高価なソフト価格だったため、代わりとしてこの「ネオジオCD」をリリースしました。
今回お譲りいただいたのは、後期版のトップローダー版(ディスクの蓋が上についているタイプ)です。
しかし、低価格化には成功したものの、ロード時間の長さに苛まれることになりゲームテンポを重視している、ゲーマーやファンからは不評でした。
画面が切り替わるごとにロードで「サル」がお手玉をしているのを、当時うんざりしたユーザーは多いと思います。
結果、ロード時間の削減のため完全移植をあきらめる「本末転倒」な事態や、『ネオジオCD』オリジナルソフトがほとんど存在しないことなどが起因し、
1999年には市場から撤退することになるのでした。
こうしてみると、この時代はCDドライブ搭載機が圧倒的に多いことが実感できると思います。
実写やアニメのムービーを重視する「インタラクティブ」なゲームこそが次世代を担うと信じられていたのも、要因の一つだと思います。
実際『ニンテンドウ64』や『ATARI JAGUAR』等のカートリッジの次世代ハードも存在しましたが、後にどちらも『64DD』および『JAGUAR CD』ドライブユニットをリリースしています。
※商業的に成功したかは別としてですが…
当時の業界が、ディスク媒体への移行を如何に重視していたかを感じさせてくれますよね。
今回紹介したCDドライブ搭載機にかかわらず、
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