BEEPで買取しているレトロゲームは、一度は誰かが手にして遊んだもの…つまりは中古品です。当然、ゲームソフトだけよりは箱や説明書のそろっているもののほうが価値がつきますし、保管状態のよい美品はさらに評価されます。なるべく当時の新品に近いものを手に入れたいと思うのは趣味人としてはごく自然な感情ですよね。そうした要求を満たしてくれるものといったら未開封品しかないわけですが、ご依頼をいただいているなかで不意に遭遇することがあります。「保管用として持っていた」「なんとなく買ったけど、遊ぶ機会がなかった」など、さまざまな理由で開封されずにいたゲームたちは、やはり普通の美品よりもずっとプレミアがつきます。今回、神奈川県横須賀市のお客様からお譲りいただいたコレクションのなかにも20本強の未開封品がありました。最近ではコレクションルームに飾る、鑑賞アイテムとしての需要もあるようで、遊ぶためのゲームとはいえ、どうするか悩んでしまいますよね…（笑）。
邪聖剣ネクロマンサー
PCエンジンのRPGとしてはじめて発売されたタイトルが『邪聖剣ネクロマンサー』です。「エイリアン」のデザインで有名なH.R.ギーガーのイラストをジャケットにしていて、テレビCMも「夜、ひとりで遊ばないように…」と恐ろしげな雰囲気を出していました。ゲームそのものはわりとオーソドックスなコマンド戦闘を採用しているものの、難易度は高めでしたが、ダークな雰囲気のシナリオは評価が高いです。のちに『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』や『仮面ライダーW』などの原作や脚本を手がける三条陸氏がシナリオを担当しているためで、メジャーになる前から氏の才気が感じられます。
超兄貴
本格シューティングにボディビルやハードゲイという異質な世界をブチこんで、謎のエンターテイメント作品として昇華したのが『超兄貴』です。日本だけでなく海外でもヒットを飛ばし、続編や他機種でのシリーズ化、メディアミックス展開など、今でも愛されるタイトルとしてご存じの方も多いでしょう。従来のゲーム機の音源では成しえないBGMも特筆モノで、『超兄貴』サウンドも好評を博しました。
ワンダーモモ
PCエンジンが発売されたことでゲームの何が変わったかといえば、やはりグラフィックが大幅に進歩したことではないでしょうか。当時最先端のアーケードゲームに近いものが家庭用ゲーム機で楽しめるというのは衝撃でした。ファミコンでは再現できないビジュアルもPCエンジンでは可能で、その能力は女のコのグラフィックでも存分に発揮されました。この後で『ワルキューレの伝説』がPCエンジンにだけ移植されたときはかなりのゲーマーがPCエンジンの購入を検討したと思います。※勝手な推測です
プリンス・オブ・ペルシャ
『カラテカ』の制作者、ジョーダン・メックナー氏が手がけた『プリンス・オブ・ペルシャ』は、なめらかなキャラクターの動きやパズル性の高いマップが評価され、さまざまな機種に移植されたアクションゲームです。このメガCD版は移植作品の中でも傑作とされているPC-9801版（なにしろメックナー氏が絶賛したそうです）をベースに、ビジュアルシーンやボイスの追加をしたものになっています。
久遠の絆
ゲームジャンルとしては恋愛アドベンチャーなのに、「このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています」と注意シールが貼られており、普通の青春恋愛モノとは異なる雰囲気の『久遠の絆』。タイトルがしめすようとおり、時代を超越する輪廻転生が物語のベースになっており、悲恋や伝奇の要素が絡んだ進行はプレイヤーに驚きをあたえ、クチコミで人気が高まっていきました。
セガラリー2/F355チャレンジ
ドリームキャストはアーケードで使用している基板とほぼ同一のスペックを持つ高機能なハードでした。アーケードゲームの家庭用ゲーム機への移植は何かしらデチューンされがちで、とりわけ技術的に優れていたセガのゲームはゲームセンターでないと楽しめない…という時代が長かったこともあり、これはひとつの事件だったともいえます。『セガラリー2』『F355チャレンジ』ともにセガのゲームらしい奥深さがあり、ハンドルやシートといったデバイスをのぞけば十分にアーケード体験をできるのは、ゲームのありかたや楽しみかたを大きく変えたと思います。
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