現在のパソコンといえば、Windowsベースのものが7割以上もの圧倒的なシェアを誇り、事実上のスタンダードになっています。ですが、パソコンが一般市場にあらわれてからその発展段階にあった1970年代後半から1980年代前半は各メーカーが様々な仕様のパソコンを発表し、覇権を争っていました。今回、岐阜県各務原市のお客様からお譲りいただいた工人舎の「MICRO DEISION(マイクロ ディシジョン)」はそうした群雄割拠の時代の産物です。
マイクロディシジョンはフロッピーディスクドライブを2基搭載した本体にキーボード、また専用ディスプレイがセットになっていました(今回の買取ではモニターがありませんでしたが…)。OSやソフトウェアもバンドルされていて、価格は448,000円。金額だけでいうなら高額ですが、当時のパソコンとしてはかなりお手頃な価格感です。
CPUはZ80A(4MHz)、RAMは64KBというハードウェア構成。また、RS-232Cポートを2つ、プリンタポートを1つ備えています。アメリカのモローデザイン社との共同開発で、ハードウェアは国内で製造し、ソフトウェアはアメリカから供給してもらう…というスタイルで日本とアメリカの市場に投入されました。
面白いのはキーボードで、なんと独立したCPU(8085+8035)を搭載しています。モニターさえあれば、マイクロディシジョン本体がなくてもターミナルユニットとして使えるという発想だそうです。もちろん、マイクロディシジョン本体があれば、デュアルプロセッサーユニットとしてより強力な使いかたが可能になります。
オプションとして、ハードディスクユニットもありました。シングルタイプは5MB、デュアルタイプは10MBで、現在ではまったく大容量に感じられませんが、当時としてはフロッピーディスク10枚以上のデータをまとめて管理できたのは圧倒的なアドバンテージだったに違いありません。それにしても、値段はシングルでもマイクロディシジョンのセット価格と同じというのは凄まじいですね…。
言語やツールなどはかなり充実しており、ビジネス・コンピューターとしてのポテンシャルはかなり高いものでした。結果としては大きな成果を挙げられませんでしたが、その後の工人舎はソーテック合併されたり、オンキヨーの子会社になったりと紆余曲折を経ながらも、現在は国内のパソコンメーカー・インベンテック開発株式会社のブランド名(KOHJINSHA)として存続しています。時代が経つと消えていくものが多いなか、こうして残っているものを見かけられるのは感慨深いものがありますね。
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