BEEPスタッフが選ぶ、大人の階段をのぼる禁断のスーファミゲー10選

人間、誰しもいつかは大人になるものです。大人の階段をのぼり、子供だったと懐かしむ日がいつか来ます。でも、どういう大人になるかは人それぞれ。古いアルバムの中に、隠れて、想い出がおっぱい。今回は、多感な思春期に影響を与えてしまうスーファミゲーを、ライトなものからディープなものまで10本ご紹介。

 

さて、最初は健全なお色気から。1本目は「ストリートファイターⅡ」。CAPCOMからリリースした格闘アクションゲーム、そのアーケードからの移植作です。

このゲームを切っ掛けに、当時のゲーム業界には格闘アクションゲームブームが到来。ゲームセンターを起点にさまざまなゲームがリリースされ、格ゲー戦国時代が到来しました。スーファミを持ってる友人宅に集まって、ストリートファイターⅡの対戦に没頭する。そんな少年時代を過ごした人も多いのではないでしょうか。

そんなゲームに登場した紅一点、インターポールの捜査官・春麗。華麗な脚技と三角飛びが得意技の彼女ですが、足払いされた時に見せるパンチラやダウン時の色っぽいポーズなど、まだ性を知らないキッズたちの心をかき乱しました。数年前、SSSS.GRIDMAN(宝多六花)やライザのアトリエを起点として、インターネットの美少女キャラクター界隈で「太もも」ブームが巻き起こりましたが、そのご先祖様ともいえる「ぶっとい太もも」キャラがこの春麗です。
必殺技の一つであるスピニングバードキックは、さかさまになって大開脚して太ももを振り回してヘリコプターみたいに飛んでいくという、「これ絶対太ももの太いキャラに開脚させること以外なにも考えてなかっただろ」とつっこみたくなる酷い凄い技

だいたい、春麗は中国拳法の使い手のはずですが、なんでこの技だけ英語名なんですかね。

 

2本目は「餓狼伝説2 -新たなる闘い-」。SNKが開発・発売したタイトルをタカラが移植したものです。
稼働したのはストリートファイターⅡの翌年。格ゲーブームに乗じてリリースされた本シリーズではありますが、実はシリーズをつくった開発者はストリートファイターと同じです。そして、こちらのシリーズも春麗に対抗するように、紅一点の女性キャラ不知火舞が追加されることになりました。
不知火舞ですが、先に紹介した春麗と比較してもエロエロのエロ。胸元やヒップラインを見せつける露骨なセクシー衣装で、肌色面積から全然違います。そして、なんといっても立ちキャラのモーションで、待機中は胸がボインボインと揺れるむほほな仕様。本作を通して、「乳揺れ」という概念について学んだキッズも多いのではないでしょうか。

以降、「乳揺れ」はゲーム業界の伝統芸能として、文化を発展させていくことになります。乳揺れ格ゲーの代名詞、テクモからリリースされた「デッドオアアライブ」は、主人公がくの一で不知火舞の血を強く感じるものです。そして、令和に続くおっぱいゲー「閃乱カグラ」も、くの一たちがおっぱいを揺らすアクションゲームでした。
乳揺れ文化にとっての不知火舞がどんな影響を与えたのか、なんとなく想像できてしまうというものですね。

 

3本目は「がんばれゴエモン3 -獅子重禄兵衛のからくり卍固め-」。開発・発売はコナミ。

SFCで大人気だったアクションシリーズですね。本作では、秘密特捜忍者ヤエちゃんが久々のプレイアブル化。このキャラはスーファミ世代の思春期男子たちに多大な影響を与えたキャラですが、今作は、そのヤエちゃんが有名キャラに飛躍したタイトルとなります。

このキャラ、初出はFCで発売した外伝作品のRPG「がんばれゴエモン外伝 消えた黄金キセル」なのですが、お色気担当というポジションはこの時点で確立していました。この作品のエンディングでボタンを連打すると、なんとヤエちゃんの衣服が脱げて下着姿に。そして本作では、「人魚変化の術」を使っておっぱいを貝殻で隠す衣装に変身し、ダメージを受けたら艶めかしく「いやん」と喋ります。
そんなキャラだから、コミックボンボンに連載していた帯ひろ志先生作の漫画版では、エロさを全開に押し出した描写ばかり。人魚に変身する際の煽情的な表情や、お約束の温泉シーンに加え、やがてはゴエモンに胸を揉まれる描写などラッキースケベの数々。少年ジャンプに連載していた矢吹神の「ToLoveる」のように、キッズの煩悩とボンボン誌のエロ偏差値を支えておりました。
当時のコミックボンボンは、SDガンダムの連載もあって大変キッズ人気のあった雑誌。コナミエンターテイメントが放ったお色気メディアミックスアタックは、当時の子供のスケベ心を大変刺激したことでしょう。

 

4本目は「ファイナルファンタジーⅤ」。開発・発売はスクウェア。
スクウェアの有名RPGシリーズの5作目ですね。以下、本作のシチュエーションを過剰書きします。

・ゴブリンに襲われている王女様
発売まで本当の性別を秘匿されていた海賊(男装女)
・ゲーム序盤から仲間だった爺は途中で戦士。14歳の孫娘にバトンタッチ
主人公の男1人+女3人のハーレムパーティ
・FFⅢに続きジョブ(職業)システムを実装。選択したジョブによってキャラはコスチュームをチェンジ
14歳のロリ娘ことクルルを白魔導士にすると猫耳ローブを着る
・クルルたん萌え~(*´Д`)ハァハァ

要素を書き出すだけで若干おなか一杯です。当時のスクウェアは萌えのクリスタルに導かれて、このゲームを開発したのではないでしょうか。
本作を通じて、萌えのなんたるかを学んだ子供も少なくないとか。

 

5本目は「聖剣伝説3」。ファイナルファンタジーⅤと同じく、開発と発売はスクウェアです。

SFC黄金期を支えた人気アクションRPG。ゲームボーイの1作目は主人公のみ、SFCになった2作目では仲間2人が固定の3人PTという形だったこのシリーズですが、本作では合計6人のプレイアブルキャラクターから主人公と仲間2人を自由に選択する形式に代わりました。また、それまでなかったクラスチェンジシステムが実装。特定レベルになると、「光」か「闇」を選び職業を選択していくというもので、これまでのシリーズに比べると、自由度の高いゲームへと変化しました。

そんな聖剣3ですが、FFⅤ同様にクラスが変わるということは、当然衣装も変わるというわけでして。本作のクラス、先に書きました通り「光」と「闇」の2ルートを分岐していくことになるのですが、「闇」を選択した時には俗にいう「闇落ち」したような衣装になります。まるで、正義の変身ヒロインが洗脳されて、悪の女幹部になった時のような……。
本作には女性キャラが3人いますが、その中でも一番人気の槍使いリースは清楚感溢れる一国の王女様。そんなリースの闇属性最上位クラス「フェンリルナイト」の格好の破廉恥っぷりといえば、最初のイメージとのギャップもあいまって、思春期の男の子たちに衝撃を与えたものです。そんな甲斐があってか、リースは今でも成人向け同人誌の題材として描かれていることが多々あります。

「闇落ちヒロイン入門教材」としても優秀な本作。効果的なエロにはギャップが必要という基礎を教えてくれる良作です。

 

折り返しの六本目は「クロノトリガー」。これも引き続きスクウェアからの開発と販売です。

本作はドリームプロジェクトと称して、ファイナルファンタジーシリーズの生みの親である坂口博信氏、ドラゴンクエストシリーズの生みの親である堀井雄二氏、そしてドラゴンクエストのキャラクターデザインを担当していた鳥山明氏の三人をメインスタッフに据えて制作されました。今ではもう合併して日も長いですが、当時のJRPGの二大巨頭であるスクウェアとエニクスが共同開発しているように見える構図は、とても魅力的なものでした。

実はこのゲーム、時代を先取る男の娘が登場しています。中世編で仲間になるカエルの宿敵である魔王、その配下である三魔騎士のうちの一人マヨネー。ギャル風の口調を使い、トキメキ熱視線という洗脳技を使って、味方を魅了してきますが、その性別は男。ドット絵だけだとわかりづらいのですが、攻略本で披露されたキャラデザが完全に美少女だったこともあって、当時の少年たちの一部にインパクトを与えました。バーコードファイターという漫画に登場する桜ちゃんほどではありませんが、その道の人たちの間ではコアな人気のあるキャラクターです。

バーコードファイターが1992年連載開始、そしてクロノトリガーは1995年発売、そしてその7年後の2002年に男の娘ブームの火付け役ともいえるGUILTY GEAR XXのブリジットが登場。それから渡良瀬準、木下秀吉……。

マヨネーが受け渡した男の娘のバトンは、今もしっかりと息づいています。

 

7本目は「第3次スーパーロボット大戦」。開発はウインキーソフト、発売はバンプレスト。
ガンダムやマジンガーZやゲッターロボなど、有名作だけでなくマイナーどころまで様々なロボットアニメ作品のキャラたちが入り乱れ戦うシミュレーションRPG、そのSFC第1作目です。

この作品にも、当時のキッズに影響を与えたのではないかと思わしき存在がいます。前作「第二次スーパーロボット大戦」のラスボスだったビアン・ゾルダークの娘、リューネ・ゾルダークが搭乗する女性型ロボット「ヴァルシオーネ」です。このバンプレストオリジナルのロボットは、以降長い間(途中、ヴァルシオーネRという改良機になりますが)シリーズのレギュラーとして登場し続けることになります。

背中まで伸びた長い髪に、ぱっちりとした瞳。しっかりと膨らんだ胸部に、ビキニのような外装と、まるでビーチにいる女性が巨大化したような格好。そんなロボットを見て、「メカ娘フェチの素養」のある子どもはこんなことを思うのです──えっちだな、と。

バーチャロンに登場するフェイ・イェンなど、女性型ロボットに強いフェチズムを感じる層というのは昔から一定数います。ヴァルシオーネも、そんなロボット娘愛好家に強い支持を受けていたロボットで、スパロボシリーズの長い歴史の中で、えっちな同人誌が出版された回数もそれなりの数です。メカだからこそ隠さずに出せる、敵にボディを破壊されることによる身体の破損描写に、巨大女にも通じる都市建造物を使った特殊なシチュエーションなど。女性型巨大ロボットは、人の身では難しい数多の性癖の可能性を提示してくれます。

ヴァルシオーネは、少年たちにそんな可能性の扉を開いてくれた一体です。

 

8本目はFEDA:The Emblem of Jusice。発売はやのまん。開発はマックス・エンターテイメント。

これまでのタイトルに比べるとマイナーなゲームでしょうか。アニメの戦闘演出が凝っている、プレイヤーの行動によって加入ユニットが変化するリブラ値と呼ばれる善悪ゲージがあるなど、やや特徴と言える部分はあるものの、シンプルな王道SRPGです。

このゲームには、システム以外で特徴的なものがあります。それは亜人ユニットの多さ。大抵の場合、亜人ユニットなんて一作につき一人いるかいないか程度のものですが、このゲームは男女問わず多くの亜人が存在します。獣人、ドラゴニュート、セントール……特に獣人ドーラは、その道の人たちの間では結構な有名キャラですね。野性的でありながらも気品のある顔立ち、凛としたキツネ耳、そしてなによりもダイナマイトなナイスバディ。ケモナーでなくてもドキドキしてしまうべっぴんさんです。

最近では、ホヨバースの新作ゼンレスゾーンゼロに登場するライカンが、えっちなオスケモとしてケモナーたちを湧かせておりますが、FEDAは亜人好き、特に獣人好きにはおススメの一作となっています。

 

9本目は「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」。開発はインテリジェントシステムズ、発売は任天堂。
手強いシミュレーションゲームの4作目です。本作は2部構成になっていて、第1部で自軍のキャラ同士の好感度を上げてカップルをつくり、第2部でそのカップルたちの子供を使って戦うという、気合の入ったカップリングゲームとなっております。また、キャラ間によってカップルのつくりやすさに差があり、(普通にプレイすると自然とくっつく)公式カップリングのようなものをぶち壊してカップルをつくるなど、いろいろ妄想も捗るシステムにもなっています。

そしてこのゲーム、このシステムと構成を活かした寝取られシチュエーションがシナリオ上に存在します。第一部の主人公であるシグルドは、作中でディアドラという女性と恋仲に落ちますが、この女性はいろいろあって敵に連れ去られ、記憶を消されてしまいます。やがて彼女は、シグルドの宿敵となるアルヴィスという男に騙され、彼と子を儲けてしまうのでした……。

第二部はシグルドとディアドラの子供が主人公で、ラスボスはアルヴィスとディアドラの子供。カップリングさせた親世代の子供たちを集め寝取り相手を討つという、壮大な寝取られ復讐譚となっております。秀逸なシナリオと変わったシステムから、シリーズの中でも特にコアなファンが多い本作。寝取られジャンルの成人向け同人ゲームをプレイしていると、主人公のデフォルトネームが「シグルド」になっているのを度々見かけるのですが、開発者はこのゲームをプレイして性癖を歪ませた者の一人、なのかもしれません。

 

10本目は「バハムートラグーン」。開発と発売はスクウェア。

言わずとしれた寝取られゲーの金字塔。SFC黄金期に発売された、いろんな意味で有名な作品ですね。本作ヒロインのヨヨは、スクウェア三大悪女の一人としても名を轟かせるキャラクターです。「サラマンダーより、ずっとはやい!!」「おとなになるって悲しいことなの」といった、彼女の残した様々な名言は、インターネット上でいろんな人たちに深く親しまれています。

このゲーム、今や寝取られジャンルの技法としてテンプレ化している「新彼と主人公の比較描写」を繰り出してきます。たとえば、主人公とヨヨが訪れる『男女が必ず結ばれるという教会』には、当然のように後々ヒロインが他の男と訪れますし、主人公の愛竜サラマンダーに乗りヨヨが感激した後には、当然のように後々ヒロインが他の男の竜と比較して貶します。

聖剣伝説3の紹介でも書きましたが、こういうギャップに人の心は弱くできているものです。「あの時は俺のことが好きだったのに……」なんて主人公に共感を覚えたユーザーは、主人公の後悔と情念を想像しながら、何故か興奮してしまうというわけです……。
発売したのはスーパーファミコン全盛期。こんな時代に寝取られ作品の必殺技ともいえる王道シチュを開発したバハラグスタッフの方々には、頭が下がるばかりです。

 

 

 

大人の階段をのぼる禁断のスーファミゲー、いかがでしたでしょうか。人の好みは千差万別、性癖だって津々浦々。人間、大人になると進むべき道がわからなくなることもあると思います。そんな時は、自分のルーツともいえるゲームのことを思いだして、プレイしてみるのもいいかもしれません。

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