『ストリートファイターII（ストII）』はビデオゲームの歴史を変えたといってもまったく大げさではないほど世界中でヒットしたゲームです。
1991年にアーケードゲームとして登場して早々に人気を集め、当時の家庭用ゲーム機への移植作もすべて好セールを記録しました。メガドライブやPCエンジンではこの『ストII』のためにボタン数を増やした新型コントローラーがリリースされたことからも、いかにキラーコンテンツであったかがわかりますね。
後続の各社のゲームに多大な影響をあたえ、また、現在もカプコンの看板タイトルとしてシリーズを重ねており、まさに金字塔というべきタイトルでしょう。
さて、そんな『ストII』ですが、じつはセガのマスターシステム版も存在しています。
しかも、どこかのプログラマーが勝手に制作して流通させたような海賊版ではなく、きちんとカプコンのライセンス認証をとった正規品です。
これは日本、アメリカやヨーロッパではリリースされておらず、ブラジルでのみ流通していたもので、知っている人は多くないと思います。
8ビットマシンという性能で制約の多い中、グラフィックやサウンドなど、かなり頑張って作られており、ファンやコレクターならおさえておきたい1本です。
（プレイ動画はYouTubeなどで簡単に見つかるので、チェックすることをおすすめします）
パッケージの背を見ると、ゲームタイトルよりもカートリッジ容量の「8MEGA」のほうが目立っています（笑）。日本で流通していたメガロムの最大容量は4メガだったので、その倍の要領を使ってはいますが、アーケードゲームはデータ量が非常に多いため、一部のキャラクター（本田、ザンギエフ、ダルシム、バルログ）は登場しません。
制作・販売はTECTOY社ですが、きちんとセガやカプコンの許諾を受けていることはパッケージに記載されています。（勝手にこのへんを記している海賊版もあったりしますが…）
発売は1997年。日本国内ではすでにドリームキャストの開発が進められており、セガサターンやプレイステーションの円熟期でもありました。ブラジルはマスターシステムやメガドライブの人気が根強かったとはいえ、これには驚きを隠せません。
ちなみに、本作はメガドライブ版『ストリートファイターⅡダッシュプラス』のデータを解析・転用して制作されたようです。ゲームクリア後のクレジットに出てくるスタッフがかなりの部分で同じだったりします（笑）。
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