レトロPCはどんな機種であれ、アツい情熱を抱き続けるユーザーがいますが、そうした人数が世界レベルで多い機種はやはりMSXが一番なのではないでしょうか? 当時の先端技術を注ぎ込むのが主流だったパソコンを、あえてスペック追及型にせず、安価なホビーマシンとして展開したことは後のパソコン普及やゲームプログラミングの発展に少なからず貢献したといえるでしょう。
今回、富山県魚津市のお客様からお譲りいただいたコレクションはMSX、とくにMSX2以降のソフトが多く、グラフィックやサウンドなどがより充実していった時期のものがそろっていました。
『アシュギーネ』
『アシュギーネ』はパナソニック製MSX2「FS-A1」のイメージキャラクターとして登場しました。ゲームも3作リリースされ、1作目『伝説の戦士 アシュギーネ』はビッツー、2作目『~虚空の牙城』はT&Eソフト、3作目『~復讐の炎』はマイクロキャビンとそれぞれ開発会社を変えているのが特徴。ゲームのバリエーションを豊かにするだけでなく、リリース展開もすばやくできるため、かなり意欲的な試みでした。キャラクターデザインは横山宏氏というのも大胆ですよね(原案は李泰栄氏)。
『夢幻戦士ヴァリス』
セーラー服の女子高校生(美少女)が異世界の力を得て剣士となる…という当時の大ヒットOVA『幻夢戦記レダ』の影響を多分に受けたアクションゲームですが、この『ヴァリス』も主人公・優子がかなりの人気を集めました。ファンクラブはもちろん、後にはミス優子コンテストまで開催されるほどで、現在も最新ゲーム機でのリヴァイバルが展開されているのだから、大したものです。
『アレスタ』
コンパイルの看板タイトルともいえるシューティングゲームのシリーズ作。誰にでも遊びやすいレベルデザインと、スピーディーで爽快感あふれる演出は最初から完成されていたスタイルです。シューティングはマニアックで高難易度になりがちなジャンルだけに、いつでも気軽に楽しめるのは嬉しいですよね。パッケージにペーパープレーンが同梱されているのもコンパイルらしい遊びゴコロです。
『サーク』
日本ファルコムの『イース』のヒットはその後のアクションRPGに大きな影響をあたえました。マイクロキャビンの『サーク』シリーズも確実に『イース』フォロワーの作品でしたが、立体的なマップ表現「VRシステム」や秀逸なBGM、ストーリーは高い評価を受けます。完結編の『サークIII』こそPC-98シリーズのみのリリースながら、MSX先行で展開した番外編『Fray』など、マイクロキャビンは数あるソフトハウスの中でもMSXに対して熱意のあるところでした。
『デジタル・デビル物語 女神転生』
西谷史氏のSF小説『デジタル・デビル・ストーリー』を原作としたOVAのメディアミックス展開としてリリースされたゲームです。ファミコン版はナムコ販売(アトラス開発)ですが、このMSX版では日本テレネットが手がけています(アトラスも協力しているそうですが…)。ファミコン版が3DダンジョンのRPGなのに対し、MSXではトップビューのアクションゲームです。シナリオもファミコン版より原作に近く、その後のゲームでの『女神転生』シリーズとは違った雰囲気を楽しめます。こうしたアプローチの違いがあるのは当時のカオスな勢いを感じますね。
『ディガンの魔石』
加藤直之氏のパッケージアートが強烈な印象ですよね。発売元のアーテックがスタジオぬえと提携し制作されたこのRPGは後にスーパーファミコンで発売される『ガデュリン』と世界を共有しており、さらにはファミコンの『ミネルバトン・サーガ』『シルヴァ・サーガ』にもつながっているというものです。これよりも前にT&Eソフトが『ディーヴァ』で同じ世界の物語を7つの機種で別々の主人公を立てて描くという壮大な試みをしていますが、それに匹敵するほどのスケールの大きさではないでしょうか。最近ではこうした野心的な展開はまず見られませんよね。
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