ゲームをプレイしている最中に音楽が流れるようになったのは1980年代で(それ以前はゲーム開始時やミスしたときなど、特定のタイミングで短時間のフレーズが鳴るくらいでした)、じつはゲームミュージックという音楽ジャンルはまだできてからの歴史が長くありません。しかし、ゲームのハード&ソフトは飛躍的な進化を遂げ、それに伴ってゲームミュージックの地位も確たるものになっています。今回、新潟県上越市のお客様からはアーケードゲームをメインにしたゲームミュージックCDを150枚以上お譲りいただきました。セガ、コナミ、タイトー、ナムコ、カプコンといったメジャーどころはもちろんありますが、これだけの数になると、メジャーどこゲームミュージックをさらに追い求めているラインナップです。ここではあえて当時メジャーではなかったところをいくつかピックアップして紹介いたします。
ATARI
アタリといえばビデオゲームの発展に多大な功績のあるメーカーで『ミサイルコマンド』『ガントレット』『マーブルマッドネス』『ハードドライビン』など、世界規模のヒット作をいろいろと生み出してきました。それらの数々のタイトルを凝縮したのがこの『THAT’S ATARI MUSIC』です。基板コレクターとしても知られるゲームライターの渋谷洋一氏が解説を担当し、レコーディングにはアタリのコンシューマー部門を担当していたテンゲンの社員が協力するという充実の内容です。
サンソフト
サンソフトは家庭用ゲーム機(特にファミコン)でのBGMの品質の高さが知られていますが、ネオジオでリリースした『ギャラクシーファイト』『わくわく7』でもサウンドスタッフのこだわりが存分に発揮されています。ネオジオの音源が当時のハードの中でもリッチな環境だったこともあり、さまざまなスタイルの楽曲(歌まで入ったものもある)が楽しめます。
ジャレコ
ジャレコはゲームメーカーとしてはややマイナーながらもサウンドは評価の高いものが多く存在します。後に『ドラゴンクエスト』シリーズのサウンドデザインに携わる多和田吏氏が在籍していたことからも、ゲームだけでなく、ゲーム音楽に対しても熱意があったのでしょうね。『プラスアルファ』『E.D.F.』『ロッドランド』は多和田氏がメインですが、そうでない『ソルダム』も傾聴に値する楽曲ぞろいです。
東亜プラン
シューティングゲームを自社タイトルの柱にしていた東亜プランは今でも根強いファンが多く存在しています。『究極TIGER』『ドギューン!』など奇抜なタイトルとは裏腹に、骨太なサウンドは堅実につくられたゲームとうまくマッチしていました。どのゲームの音楽も東亜節とでもいうべき仕上がりですが、最後にリリースしたシューティング『BATSUGUN』では新しいサウンドメイキングにも挑戦しています(サウンド担当が変わったからでもありますが…)。
アイレム
アイレムといえばやはり『R・TYPE』ですね。このタイトルが大ヒットしたからこそ、その後のアイレムのタイトルがグラフィックとサウンドを強くしていったといえるでしょう。『R・TYPE ~アイレム・ゲーム・ミュージック』では『ムーンパトロール』や『ロードランナー』といった80年代初期のゲームと『MR.HELIの大冒険』『怪傑ヤンチャ丸』といったタイトルがカップリングされていますが、かなりシンプルなサウンドです。アイレムの黄金期ともいえる時期の『アンダーカバーコップス』では音源性能だけでなく、楽曲の重厚さが劇的に変化していて、その差に驚きます。
テクモ
アーケードで『雷電』がヒットした影響なのか『雷龍 サンダードラゴン』『雷牙』など、この時期のテクモはタイトルに「雷」のつくシューティングをリリースしていました。似たタイトルだから売れるだろう…というのはものすごく雑な営業展開だとは思いますが(笑)、どのゲームも遊びやすくゲーマーにも受け入れられていたと思います。この『雷牙』にはコナミでも活躍するメタルユーキ氏が参加しており、ハードロックを意識したアグレッシブなサウンドが楽しめます(余談ながらコナミの『サンダークロスII』と聞き比べると面白いです)。
エイコム/夢工房
ネオジオの『R・TYPE』リスペクト作品としてみられている『パルスター』とその続編『ブレイジングスター』。メーカー名はエイコムから夢工房に変わっていますが、社名変更があっただけで、組織そのものは同じだったりします(ついでに書くとサミー工業の下請けで『ビューポイント』も作っていたという…)。シリーズ作品と呼ぶには社名以上に変化が激しいですが、どちらもネオジオのリッチなサウンド環境を駆使したBGMです。
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