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BEEPスタッフが趣味で選ぶ! スーパーファミコンの名作ソフト【その3】

1990年11月に発売され、2003年9月に生産終了となったスーパーファミコン。ファミコンやゲームボーイで一気に世界企業へと駆け上がった任天堂の地位を盤石なものにした傑作ゲームマシンであることは、疑う余地がまったくありません。
久しぶりの更新となりましたが、BEEPスタッフの完全な趣味と私見で選ぶスーパーファミコンのソフト名作選、今回はBEEPの総番長こと頓田林太郎がお届けします。

私のベストは『シムシティ』!

シミュレーション・シティこと『シムシティ』といえば、その後も膨大にリリースされたシムシリーズの元祖であり大ヒット作だ。
元々『バンゲリング・ベイ』製作中にマップ作成エディタを作り、マップを作っていたときに「人は地形を配置していくことを楽しむ」ということに着想を得て後年ゲーム化していったものだ。

ファミコンでは移植が難しく*1、スーパーファミコン版は満を持して家庭用で遊べる待望の移植であり、あらゆる部分で絶妙なアレンジが素晴らしい1本。元々はAMIGA、コモドール64などで初版がリリース、人気を得てMacintoshやATマシンなどへの移植、国内PCでもアレンジを含む多数の移植作がリリースされた。

自称『シムシティ』好きで、かつてwikipediaへ各種資料をもとに記述まで行ったが、その後誰かによって任天堂中心の記事にリライトされた悲しい過去を持っている私が選ぶ最高の『シムシティ』は、Macintosh B/W版とスーパーファミコン版のふたつが挙げられる。

Macintosh版は1色のドット表現が素晴らしく、『シムシティ』のゲーム感がMacintoshPlusやSEなどの筐体と非常に合致しており、まさにモニターの中の都市計画遊戯、そしてデスクの上の一体型Macのもたらすハード&ソフトによる素晴らしいコンセプトの組み合わせが何ともいえない味わいであった。ただMacintosh版のマニュアル・プロテクトは非常に面倒臭いこと(記憶ではプロテクトに間違えると育成した都市に常に災害が発生するバージョンを持っていたと思う)、そしてB/W版はアキバに近い人間ならいざしらず入手が困難で、それより少し遅れて16Color版のほうが圧倒的に出回っていた状況もあり、日本版であるイマジニア版やアレンジCD版などのちょっともっさりしたバージョンを待たねばならなかったし、B/W版を好む者はちょっと偏屈な私のような人間だけかもしれない。イマジニア版も良かったのだが、日本独自ハードパッケージはまさに日本ナイズ感がしてしまったし、CD版など後年出回ったものはマルチメディア時代よろしくストップアンドゴーに感じられるゲームテンポと重さが気になった。その他にも各種移植版の違いやネタは尽きないのだが今回はスーパーファミコン版の話だ(余談ながら、『信長の野望』移植比べも深いんですよ…*2)。

スーパーファミコン版の何がすごいのか?

神がかった出来なのは、岡素世さんによる素晴らしいBGMがついたこと。これが初期任天堂タイトルのウケの広さを担保していると言って間違いがない。『パイロットウィングス』の曲もそうだ。まさにファミコンからスーパーファミコンへの移行期にかけて、任天堂はコンテンツとしてディズニーをも超える意気込みがあったはずだ。それが岡素世さんの音楽によって大きな認知推進力を得ている。

グラフィックスの変化
これは別のゲーム『タワー』の話ではあるが、『タワー』製作時、日本の開発会社であるオープンブックはウィル・ライトの事務所にグラフィックに関するアドバイスを求めていた。そのやりとりの中で徐々に日本独自のドットが変化し、より煌めかしくアメリカナイズされていく経過図を見たことがある。そのほかにゲームデザインやイベントなどに関してもウィル・ライトの提案があっただろう。SFC版の『シムシティ』でも任天堂側の提出するグラフィックスにウィル・ライト側のリテイクやアドバイスがあったのは想像に難しくない。そうした最適化に加え、マリオやクッパといった任天堂キャラの出演が特に家庭用としての取っつきやすさに役立っている。

数々のイベント
『シムシティ』でみんなが好きなところといえば、追加されたイベント設置の数々、そのアイテムを設置したときの市民の歓声、キャピタルに切り替わった時のBGMの出だし、メガロシティBGMでの途中、ビレッジのテーマが差し込まれ、ひとつのエンディングを味合わせることだろうか(まだまだあるが…)。これらの要素は全てがスーパーファミコン版が初出であり、いずれも素晴らしい要素だった。*3さすが家庭用ゲームメーカー任天堂の本領発揮といったところだろう。あくまで子供が楽しめなくてはならないわけだ。そのうえ大人も十分遊ぶ事に耐えられる。ゲームを1本遊ぶに等しいチュートリアルの丁寧さ、子供には難しいが諦めさせない良策のピーチ銀行など、いたせりつくせりだった。これが“PC版の忠実移植!”なんて状態だったら、多くのプレイヤーはタイトルスクリーンで車のクラクションのみが時折聴こえるという侘び寂びの世界に心が折れただろう。*4

メディアでの取り上げ
当時はネットなど普及していなかったわけで、情報源は口コミ、雑誌、攻略本、テレビといったところだが、雑誌やテレビで『シムシティ』が移植されるらしいというのは喜んだものだ。そして忘れてならないのは『シムシティ』の攻略本だ。パソコン版でも攻略本はあったのだが、子供向けの攻略本に「都市計画について」とガチめなリアルな街造成の話や住民の気持ちなどが併せて多めに掲載されていたのは、子供ながらに『魔界村』『グラディウス』の攻略本とは違うな・・と思ったものだ。このように家庭用ゲーム機で子供向けに受けの広い内容で書籍まで浸透させたのは、初めての体験だったのである。

すべて記憶で書いているので、間違っていたら申し訳ない。…が、その後*6の『シムシティ』シリーズはほかのシミュレーションゲームと同じく、やれる事の多さがあまりに膨大になり初心者が気楽にとっつける内容ではなくなってしまい、時折初代へ回帰するバージョンが作られているのは忘れてはならない。『信長の野望』が武将風雲録が最も人気があり、現在でもiPhoneでもアレンジ移植が出ているように初代『シムシティ』はゲームテンポとシミュレーション性が程よく、理解しやすい今でも遊ぶに十分耐える名作だと信じて疑わない私であった。やり込めばアクションパズルゲームのようでもあり、新しいマップを生成して白紙の画面を見れば今日はどんなコンセプトでメトロシティまでタイムアタックするか*5と、いまだに楽しめるおすすめの1本だ。

*1  NES版もプロト版までは出来ていたそうだ。実は永らく遠ざかっている間に、今回wikiで知りました笑めちゃ出来がいい!。サテラビュー版も未所持で〜す。関連書籍やPC版は大体全部持っていると思う。

*2 タウンズ版は一見PC98版と同じにみえてグラフィックスが結構違い、時代によって未来都市になるアレンジも素晴らしい。PC98版は最も入手が簡単かつ”クラシック”シムシティを今やるなら最適だと思われる。変なところではPSION版!もあるのだ。私はこのために2台修理済みマシンを持っているほどだ。MSX版は子供の頃のMSX-FANいーしょーくーはまだかいな!?コーナーで徐々に移植はすすんでいます!とゲーム画面が毎号掲載されたが、最後は発売中止の記事と共にイマジニア社員の謝罪写真が掲載されたのは懐かしい。

*3  「埋立地」だけはマップがアイランド型では基本メトロシティ止まりになるので、もそっと欲しかったなー・・なんて。

*4 私の初プレイはPC98版で、父のキン肉ハウスみたいなボロ事務所においてあったPC9801VM2で遊んだ。8色で動作する貴重なソフトでFM音源も不要。つまりBEEP音しか出ないわけですな。なのでBGMは無い独特のほぼ無音のプレイで、暖房もないボロ小屋に深夜に忍び込み夜な夜な無音のシムシティで遊んだわけだが、タイトルのブー・ブッという乾いた音に「SimCity」という土地造成をモチーフとした看板が小学生の私には何ともファミコンと違った大人の世界に思えたものだ。8色ゲーム縛りって考えるとPC98も面白いよね、信長の野望 武将風雲録までは8色ですよ、凄まじいドット絵!ある日ログイン付録のロードモナーク体験版の色が変な色ででたので、編集部に電話すると「16色ボードというのが必要です」と言われ、信長はあんなにキレイな絵が出ているのだから500色くらい(小学生感)使ってないか?じゃあなんだ16色というのは。と子供ながらにパソコンのスペックや技術を覚えていったものである(コンパイルの98版ディスクステーションがBEEP音BGMドライバーみたいのがあったよね・・あれは感動しました)。

*5 道路なし、工場は外周なし縛りで現実的道路配置による都市計画が最も苦労して面白い。逆にもし今から始める初心者の人へ簡単な攻略を教えるとしたら、工場は町外れに(公害の半分が隣町へ流されるからだ!)道路は建設0で鉄道のみ。地価は大事。って事だ。

*6 望まれに望まれて出たSimcity2000は凄く良かったけどね!コロニー!

ちなみに、前の記事はこちら(↓)

BEEPスタッフが趣味で選ぶ! スーパーファミコンの名作ソフト【その1】

BEEPスタッフが趣味で選ぶ! スーパーファミコンの名作ソフト【その2】

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