おひさしぶりのBEEP修理班です。
今回は、私たちが日ごろレトロゲームハードの修理で行なう、はんだ作業に使う道具の紹介をしていきます。
はんだづけの歴史は古く、紀元前3000年にはすでに存在していたそうです(ツタンカーメン王の装飾品にもはんだづけされたものがあるとか…)。
最新の電子機器にも使われているわけで、人類にとってかなり重要な技術ですよね。
ちなみに、なぜ「はんだ」と呼ばれているのか語源は諸説あり、定かではないそうです。
さて。
まず、はじめに紹介するのは、『はんだこて』です。
修理班では各々が使いやすいこてで作業しているので、メーカーや型番はとくに決まっていなかったりします…(笑)。
その中でもよく使われているものを紹介します。
gootのPX-201です。
セラミックヒータータイプのこてで、温度調整機能がついています。こて先を250~450℃まで連続コントロールできて扱いやすいです。
私はこれをメインで使っていて、こて先は標準の『PX-2RT-B』にしています。
HAKKOのFX-600です。
これもセラミックヒータータイプで、温度調整機能あり。200~500℃まで調整可能です。
こて先の種類が豊富なので、用途にあったこて先を選ぶことができます。
自分はコテ先に『T18-BL』を使って、狭い箇所や細かい箇所で使用しています。
これはニクロムヒータータイプで、温度調整はできませんが、最大こて先温度は480℃あり、重量が軽いので疲れにくいです。
値段も手ごろなため、使っている人が多いと聞きます。
次に、ハンダ吸取器の紹介です。
gootのTP-100です。
これはポータブル型自動はんだ吸取器なので、ステーションタイプと違い、持ち運びがしやすいです。
ただ、温度調整の回路と吸取器のメカが一体化しているため、ステーションタイプより少し重たいです。
温度は250-450℃まで設定できます。
gootのTP-200です。
こちらは250~450℃の調整ができるステーション型はんだ吸取器です(現在、メーカーでは販売終了になっています)。
手動のはんだ吸取器でも問題はないですが、やはり修理するものの数を考えると、自動の方が手間が省けますね。
HAKKOのFR-410です。
この吸取器は特徴として、トリガーを引いてから、吸引圧力が高まる0.2秒後に吸引を開始する機能がついています。
そのため、高い圧力で一気に吸引してくれます。
かなり便利ですが、お値段はけっこう高めです。
次は、はんだとフラックスの紹介します。
使用しているはんだは、HAKKOの鉛フリーで0.8mm径のものを使っています。
細かい箇所のはんだをつけることが多いのでこのくらいの太さを選んでいます。
(使いやすさで考えると、鉛入りの方がはんだ付けしやすいですが…)
フラックスはHOZANのH-722を使用しています。
これは、はんだを塗布する際に使用すると、はんだの濡れ性を良くするもので、
これが良いというわけではないのですが、昔から使い続けています。
表面実装部品の取り付けやはんだの手直しには必需品です。
はんだ吸取線です。
よく使っているのはgootのgootwick(CP-20B)30mです。
基本的には表面実装パーツの交換時に使いますので、
狭いところでも使いやすいよう幅の細いものをつかっています。
以上、はんだ周辺の道具紹介でした。
はんだ付け作業では、一概に高価のものほど使いやすいというわけではなく、
自分に合った道具を使うことが良いと思います。
BEEPではレトロハードの修理・オーバーホールを受け付けていますのでお気軽にご相談ください。