ファミコンの大ヒットは従来のゲーム機とは比べものにならないほどでした。ダテに教科書に載るレベルじゃありません。
ゲームソフトだけでなく、周辺機器にもさまざまなアイテムがリリースされ、電話回線を使って株式売買できる「ファミリーコンピュータ ネットワークシステム」や、その派生で馬券を購入できる「JRA-PAT」といった先進的なチャレンジもありました(ちなみに「JRA-PAT」は2015年までサービスが続いていたのだから驚きです)。
教育方面にも活用しようというアイディアが出てくるのも不思議ではなく、福武書店(現在のベネッセコーポレーション)が発売したものがこの『スタディボックス』になります。
店頭販売は行わず、進研ゼミの通信教育テキスト『チャレンジ』付属の用紙からの申し込みを受けて頒布する形式で、しかも初期は機材レンタル方式だったため、どれぐらい普及したのかは不明です。ただ、運用期間は1986年~1994年と長く、利用者数はけっこう多かったのではないでしょうか?
今回、群馬県館林市のお客様から買取いたしましたのは、英語学習用の「イングリッシュコース」になります。『スタディボックス』の講座にはもう1種類、算数と理科を学ぶ「サイエンスコース」もあったのですが、カセットテープの音声を活用できるという点ではこの「イングリッシュコース」のほうが教材としてマッチしているように思いますね。
これがスタディボックスの本体です。初期型はディスクシステムのようにファミコン本体の下に設置するタイプの形状でしたが、後期型はコンパクトになって、カセット差し込み口に入れるようになっています。カバーの開閉は手動式で、テープの操作ボタンは一切ないというシンプルなつくりです。
電源はACアダプタを利用して供給するようになっています。これはファミコンの仕様設計上、当然なのはファミコンマニアならあたりまえのことですが、ACアダプタはファミコン本体のものとほぼ同じサイズなため、コンセントの確保にはちょっと苦労します…(苦笑)。
学習用テキストの「エンジョイEnglish」です。毎月1冊“自分の名前が言えるようになろう”や“いま何をしているのか言えるようになろう”といったテーマが決められており、年間12冊を履修すれば(当時のレベルで)中学生クラスの英語はマスターできるといったものです。
ファミコンで簡単なゲーム(クイズやパズルなど)をプレイしながら英単語や文法を学び、テープから再生される音声でヒアリングや発音練習ができるというのは、当時の学習教材としては非常に画期的ですね。ゲームそのものはわりとシンプルな内容ながら、毎月違う内容のプログラムが送られてくるので、飽きずに続けやすかったのではないかと。
テキストといっしょに送られてくる情報誌「ハイホーらんど」です。アメリカの文化紹介が主な内容となっており、クリスマスのことや学校のこと、当時はあまり認知されていなかったハロウィーンのことなどが載っています。『スタディボックス』利用者の投稿コーナーもあり、勉強だけでない楽しみもセットになっていました。
インターネットで動画の閲覧をするだけでなく、ビデオ通話もあたりまえになっている現在では学習教材のスタイルもまったく違います。ですが、勉強を教えてくれるツールというのは過去のものであっても親しみやすさを意識していることに変わりはありません。今見てもよくできていて、感心するところが多いですね。
BEEPではあらゆるゲーム機本体、ソフト、周辺機器、そのほか関連アイテムを積極的に買取中です。
動作状況や付属品の有無にもこだわらず、歓迎しています(もちろん、状態がよければそのぶん買取金額に反映いたします)。
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