家庭用ゲーム機の歴史において、まさに金字塔といえる功績を打ち立てたファミコン。約10年で1000本超のタイトルが発売されました。現在ではゲームのリリース展開がもっと目まぐるしいですが、年平均にしても100本のゲームが出るのは当時としては過剰なブームといえるでしょう。今回、和歌山県田辺市のお客様からお譲りいただいたコレクションは名作はもちろんのこと、隠れ良作も入っている、ゲーム好きにはたまらないコレクションでした。
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『ミネルバトンサーガ』
タイトーから発売されたファンタジーRPGです。幼少時に国を滅ぼされ、ただひとり生き残った王子が世界の平和を取り戻すために戦う…と、大まかな設定はありふれたものですが、物語やキャラクターの演出が秀逸でプレイヤーを虜にします。現在は小説家として活動している羅門祐人氏がシナリオを担当しており、力のある人物の手にかかるとオーソドックスなものでも光り輝くということを証明していますね。米田仁士氏のパッケージイラストも気品があり、ゲームの雰囲気を盛り上げるのにかなり役立っているのではないでしょうか。
『シルヴァ・サーガ』
セタから発売されたタイトルですが、じつは『ミネルバトンサーガ』の続編です。タイトーに比べるとセタはずいぶん地味な印象のあるメーカーだったため、当時は『ミネルバトンサーガ』のファンでも見逃していた人はかなりいたと思います。戦闘システムがリアルタイムアクションからコマンド選択方式(いわゆる『ドラクエ』タイプ)に切り替わり、ゲームそのものがよくあるRPGっぽい感じになりましたが、開発中には続編の制作も決まっていたようで説明書にも『シルヴァ・サーガII』の告知が載っているのは興味深いですね。
『悪魔城伝説』
ディスクシステムで人気を確立した『悪魔城ドラキュラ』シリーズ第3弾で、本作でファミコンカセットとして発売されました。特殊音源チップ「VRC-VI(ヴイアールシー シックス)」を搭載し、ディスクシステム以上の厚みのあるBGMを実現しており、充実したゲーム内容もあわせてシリーズの中でも指折りの名作になっています。
『バイオミラクル ぼくってウパ』
もともとディスクシステムで発売されていたアクションゲームのカセット版です。当時はロムカセットの生産コストが高かったため、比較的コストをおさえられるディスクシステムで展開したタイトルも多くあったそうなので、本作がカセットに移植されたということはかなりヒットしたのでしょうか?
ディスクシステム版では拡張音源が使用されているため、BGMはそのまま移植できない(『ゼルダの伝説』ではカセット版だとタイトル曲の鐘の音が違うことが有名ですね)のですが、きちんとファミコン本体の音源に合わせてBGMがアレンジされており、より遊びやすいようにイージーモードも追加されています。ただ、発売がファミコン末期であったために出回りが少なく、今では指折りのプレミアソフトです。
『ダークロード』
複数のシナリオを選択式で進めていくスタイルのRPGで、1本道のストーリーを追っていく日本式RPGとはずいぶんと趣を異にしています。データイーストは『ヘラクレスの栄光』や『メタルマックス』などの風変りな世界観で語られることが多いですが、ゲームシステムでも先進的な試みをしていることもよくあり、かなり説明しづらいメーカーですね(笑)。
『アドバンスド ダンジョンズ&ドラゴンズ~プール・オブレイディアンス~』
テーブルトークRPGの大御所『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(以下D&D)』シリーズをTVゲームに移植したもので、日本ではポニーキャニオンがローカライズをしています。
同社は『ウルティマ』シリーズの国内展開にも関わっており、RPGには強いこだわりを感じさせますね。『アドバンスドD&D』は全4タイトルあり、これは第3作目となります。1作目は横スクロールアクション、2作目はアクションRPGとゲームスタイルを変えてきて、本作では3DダンジョンRPGとなっています(そして4作目でまた横スクロールアクションになるという…)。もっともD&Dっぽい雰囲気を味わえるつくりであることに加え、パッケージが重厚なのもポイントです。説明書のサイズが大きいので、箱を開けると通常のサイズのファミコンのパッケージが入っています(笑)。
『バトルフォーミュラ』
『超惑星戦記メタファイト』『リップルアイランド』『ラフ ワールド』など、サンソフトで数々の名作を手がけた東海エンジニアリングの開発によるレース&シューティング。スピーディーなスクロールと軽快なBGMのマッチングがよく、疾走感や爽快感といった言葉がとても似合う内容です。
『へべれけ』
ゆるキャラブームよりも圧倒的にはやく、ちょっと気の抜けたキャラクターデザインを打ちだした本作。タイトルからして狙っている感がありますが、キャラクターたちのセリフまわしにユーモアがきいていて、独自の魅力を築きあげています。ゲーム部分は探索型のアクションで、ステージ構成も手堅くまとまった良作です。スーパーファミコンやアーケードゲームでもシリーズ展開を続け、へべれけは90年代のサンソフトのマスコット的なポジションになりますが、それはこのデビュー作のインパクトが大きかったからでしょう。
『ガーディック外伝』
コンパイルがMSXで出していた『ガーディック』の世界観を引き継いだシューティング+アクションです。発売元はアイレムなのに、こんなにわかりやすいタイトルでも平気なあたり、当時のおおらかさを感じますね。加藤直之氏のパッケージイラストの存在感がとてつもなく強力ですが、ゲーム内容もしっかりとしていて、見かけだおしではない名作に仕上がっています。
『ガンナック』
こちらもコンパイル開発のシューティング。PCエンジンの『ガンヘッド』とディスクシステムの『ザナック』をかけ合わせた内容だから…とこのタイトルになったそうです。キャラクターはずいぶんとコミカルになり、主人公も巫女さんで、かなりライトな雰囲気ですが、シューティング部分はきっちりと引き締まっています。1990年の終盤に発売されたこともあって、エンディングのグラフィックが充実している(あくまで当時の話ですが…)のもやりがいがあるところですね。
『暴れん坊天狗』
巨大な天狗の顔がアメリカの街や宇宙を飛びまわるという設定が奇抜すぎるシューティングです(海外版では天狗の代わりに“落ち武者の生首”がプレイヤーキャラになるのだから衝撃的ですよね)。ナムコの『源平討魔伝』に関わった中潟憲雄氏がディレクションに携わっているのがポイントで、ゲーム全体の仕上がりやBGM、ステージ中の演出などもよくできており、奇抜なデザインのクソゲーとは一線を画しています。当時はファミコン晩期のタイトルであったことに発売メーカーのマイナーさも加わり、ほとんど知られることもなかったというのですが、それでも5万~6万本程度は売れたそうです。いかに当時のファミコンの市場が大きかったかを物語っていますよね。
『ガンデック』
サイバーパンクとハードボイルドを意識した、近未来SF好きにはたまらない世界観のアクションゲーム(パッケージイラストも『ブレードランナー』っぽい雰囲気でブルース・ウィリスに似た男性が描かれていて、ニヤリとしますよね)。開発を手掛けたのはエイコムで、PCエンジンの『魔境伝説』やネオジオの『ビューポイント』『パスルター』といった秀作にも関わる通好みのメーカーです。気持ちよく遊べるゲームバランスやビジュアルシーンでのニヒルなセリフ回しなど、ファミコン晩期にふさわしく充実しています。
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