今回は、神奈川県座間市のお客様より依頼された『メガCD』のオーバーホールをしていきます。
メガCD2ではなく、初代のメガCD本体です。この重厚感がよいですね。
メガCDは1992年12月に発売されたメガドライブの周辺機器で、PCエンジンのCD-ROM2とは異なり、専用のCPUを搭載しているのが大きな特徴です。画像の回転や拡大・縮小がハードウェア処理できるため、CD-ROMの大容量を扱えるだけでなく、プログラム表現も大きく向上させられる拡張ユニットでもありました。発売時の価格は49,800円と高価でしたが、その値段に十分見合うだけの能力を持っていたといえます。
ご依頼の内容としては、通常動作する本体の予防保全のためのオーバーホールということでした。
チェックで『ファイナルファイトCD』を起動しましたが、特に不具合はありません。
このままオーバーホールに取りかかっていきます。
まずは分解して基板ごとにバラしていきます。
まずは本体カバーを開けます。
CD-ROMドライブカバーを外します。
コネクトボードとメイン基板を取り外します。
大まかに分けて基板は3枚構成です。
電源関係のサブ基板、メガドライブと繋がるコネクト基板、そしてメイン基板となります。
まずはサブ基板の電解コンデンサを全交換します。
この基板はコンデンサが全部ラジアルタイプなので交換しやすいかと思います。
割合、すんなりコンデンサ交換できました。パッと見ただけでは違いがわかりにくいですが…(笑)。
次はメイン基板をやっていきます。
この基板はコンデンサに表面実装タイプが使われていて、ほとんどのメガCDはこのコンデンサたちが液漏れを起こしまくっていると思います。
そのため、状態が酷いものになると、コンデンサ交換の際に断線したりランドごと剥がれたりしやすくなっています。
中には、少し触っただけでポロッと取れてしまう物もありました。
ハンダごてを使って、熱を加える時は注意が必要です。
あと、交換するコンデンサは表面実装ではなく、ラジアルを加工して取り付けます。
ラジアルのほうが表面実装に比べて液漏れしづらいからです。
コンデンサ交換後のメイン基板です。コンデンサの形状が違うので、わかりやすいかと。
最後はコネクト基板ですが、このボードは何種類かバージョンが有り、
今回のものはコンデンサが載っていないタイプでしたのでコンデンサの交換はありません。
他のタイプではメイン基板と同様に、表面実装でコンデンサの液漏れが腐食が結構あったと思います。
交換が終わったら本体内部を掃除して、組み立てて動作確認していきます。
再度『ファイナルファイトCD』で起動チェック。
動作も問題有りませんので、コレで修理完了となります。
今回のオーバーホールは、本体が通常動作していたものだったのですんなり完了しました。
やはり故障する前に予防として電解コンデンサの交換はやっておいた方が良いです。
BEEPでは今回のメガCDをはじめ、レトロゲームハードの修理を受け付けていますのでお気軽にご依頼ください。