アクションゲームの楽しみは、やはりその名のとおり、動き回ることにあるでしょう。
表示されたステージがスクロールせず、その画面内でのアクションを追求する“画面固定型”のアクションはさらにパズル要素を含んでいるため、試行錯誤する楽しみが上乗せされます。タイトーの『バブルボブル』にジャレコの『妖精物語ロッドランド』、東亜プランの『スノーブラザーズ』など、名作も多く残っていますね。
今回、滋賀県草津市から買取させていただいたデータイーストの『タンブルポップ』は、もともと1991年に発売されたアーケードゲームのヒット作で、画面固定型のアクションでした。家庭用ゲーム機への移植はこのゲームボーイ版だけで、ステージが画面スクロール型になっていたり、RPG風の演出が加わったりとちょっと気のきいたアレンジが加わっています。
“吸ったもんだのアクション・ゲーム”のキャッチコピーが示すとおり、プレイヤーは敵を掃除機で吸い込んで倒していきます。 敵を吸い込むアクションといえば、任天堂の『星のカービィ』がありますが、こちらは1992年発売なので、『タンブルポップ』のほうがちょっとだけアイディアとして先行していますね。
(余談ですが、掃除機が武器になる『ルイージマンション』も任天堂です。不思議と任天堂のヒット作と重なる要素があるのも、このゲームに人気が集まる所以かもしれませんね)
まずはちょっとストーリーを見てみましょう。
『地球はいったい、
世界はイッタイ、
どうなっちまうんだ?
放射能やら公害やらのおかげで、
世界中のアチコチには
ミョーな生き物がイッパイだ!
おまけにエイリアンまでもが押しかけてきて…?!
そうだ!こんなときには“掃除屋”を呼ぼう!
アイツなら、あの“掃除機”で、
きっとヤツラを退治してくれるだろー!!』
……
………………
………………………………強引ですねー。(笑)
でも、これがデータイーストらしいとも言えます。
データイーストといえば、『メタルマックス』『探偵 神宮寺三郎』や『ウルフファング』『マジカルドロップ』などの佳作、良作を出す一方で、『チェルノブ』『トリオ・ザ・パンチ』『グレートラグタイムショー』などの強烈にヘンテコな世界観のゲームでも有名で、“ヘンなゲームならまかせとけ!”という企業広告まで打っていたほどです。
(このキャッチコピーは『俺の屍を越えてゆけ』『勇者死す。』などのゲームデザイナー・桝田省治さんが考えたものです。豆知識!)
「掃除屋」と書いて「ソルジャー」と読む言語センスもイカしてますね。 早口で「掃除屋」と何度も繰り返すと、たしかに「ソルジャー」に近くなるような気もします。(笑)
さて、肝心のゲームですが、ステージ内の敵キャラクターを全部やっつければOK! と、非常にわかりやすいルールです。
ジャンプと掃除機の吸い込みを使って、次々とステージをクリアしていきます。 ここでポイントになるのが、敵キャラクターのやっつけかたで、ただ掃除機で吸い込むだけではダメで、いったん吸い込んだら、吹き飛ばさないと倒せません。 また、敵キャラクターは吸い込んだままにしておくと一定時間で掃除機がアラートが発動し、さらにそのままにしておくと掃除機が壊れてプレイヤーのミスになります。 一方で、吹き飛ばした敵キャラクターはほかの敵キャラクターをやっつけることもでき、まとめて倒せば高得点をゲットもできるため、ハイスコアも狙っていくとゲームがより奥深いものになります。 データイーストといえば、サウンドチーム「ゲーマデリック」の楽曲も特筆モノです。 ゲームボーイの音源を見事に使いこなして軽快なサウンドを響かせています。 チップチューン好きならもちろん、ポップな音が好きな人は一聴しておく価値がありますね。
今回お売りいただいたものは箱も説明書もそろっています。 ゲームボーイのソフトはカートリッジだけになってしまうことが多いなか、めずらしいですね。 コンディション的にはちょっとイタミが見受けられますが、目立つ損傷はなく、コレクションとして並べるにも十分なのではないでしょうか。 BEEPではこのような隠れた名作もしっかり査定し、カートリッジだけでもモチロン、付属品がそろっていればいっそう高価買取いたしております。
どうぞいつでもお気軽にご相談くださいませ。