今回は、神奈川県相模原市のお客様より依頼されたPC-8801キーボード(TYPE A)の修理をしていきます。
これは、1980年代にNECから発売されたPC-8801シリーズ専用のキーボードです。
PC-88シリーズは初代から数えると十種類を超えますが、キーボードは大きく分けてピン数やジャックの形状より3つのタイプがあります。
初代PC-8801のみの初期型、mkIISR系統までの中期型と8801FH以降の後期型がそれですが、細かい話をしますとさらに後期型の中でもTYPE A〜Gまで7つに分かれています。
それらの違いとなるとさらに細かい話となりますので割愛しますが、このTYPE AはFH/MHやFA/MA付属ですので一番出回っているタイプになります。
ご依頼時の症状としては、反応が悪い・反応がないキーがあるとのこと。
動作確認をしてみると、確かにいくつかのボタンの反応が悪く、効かないキーもあり、これではストレスが溜まりそうです。
この症状だと考えられる原因は、ハンダクラック・スイッチの劣化による故障・基板の破損などがあります。
今回のキーボードには、目立った外傷は無いため基板の破損は大丈夫そうです。
おそらくハンダクラックかスイッチの故障だと思われます。
まずは反応が悪いキー・反応しないキーの洗い出しからです。
本体に繋いで一つずつキーを叩いて確認していきます。
ダメなものにマークをつけていきます。
全部洗い出し終わったら、分解していきます。
裏面のネジを6本外して上のカバーを外します。
中身を持ち上げると、裏側にシールド板があり、銅テープで板金とくっついています。
キレイに剥がせるようがんばります。
シールド板を外すと基板のハンダ面が出てきます。
次は表でマークした箇所を調べていきます。
裏面から見てハンダクラックがないか確認していきます。
やはり、何箇所かハンダクラックしておりました。
クラックしている箇所はハンダを盛り直します。
もう一度動作確認をしてみます。
ハンダクラックを直した箇所は問題なく動作しました。
残りのマークしてある箇所はスイッチの交換をしていきます。
ちなみに今回のキーボードには冒頭でご紹介した通りTYPEが何種類もあるんですが、TYPEが違うとキーを押した感触・音などが違うので弊店では同TYPEからの部品交換しかしていません。
ということで部品取り用のTYPE Aのキーボードと部品交換します。
特に難しいこともないのではんだ付け作業ができる方なら楽勝だと思います。
交換が終わったら元通りに組み上げて再度、動作確認をします。
問題なく全部のキーが効いていることが確認できましたので、以上でPC-8801キーボード(TYPE A)の修理は完了です。
今回の故障は、ハンダ盛り直しとスイッチの交換だったので比較的簡単だと思います。
とはいっても、道具や交換するスイッチを準備するのは面倒だったり大変かもしれません。
そんな方のために、BEEPでは今回のPC-8801キーボードをはじめ、レトロハードの修理を受け付けていますので是非お気軽にご相談ください。