今回は、京都府宇治市のお客様より依頼されたDVD/ゲームプレーヤーQ(SL-GC10)』の修理をしていきます。
これは、2001年に松下電器産業(後のPanasonic)から発売された、ゲームキューブとDVD/CDプレーヤーが合体した機器です。
当時の任天堂に足りなかったDVD分を補うべく松下とコラボした商品でしたが、かっこいい見た目とは裏腹にあまり流通してないですね。
さっそく修理に取り掛かっていきます。
依頼された時の症状としては、トレイ開閉動作不良とのことですが…どうやらそれだけではないようです。
持ち上げて傾けてみると、中でカラカラと何かが転がってる音がしています…
とりあえず動作確認をしてみましょう。
電源を入れて起動は確認できましたが、OPEN/CLOSEを押してもトレイが出てきません。
なんとか引っ張り出しましたが今度は閉まりません。
原因はおそらくゴムベルトの劣化と思われます。
トレイを開けるとすぐ手前に見えます。
このまま交換できそうに思えますが無理です。
上のギアを外さないと新しいゴムベルトが付けられません。
先に動作確認を続けます。
ゲームディスクを入れて手動で開閉を手伝ってやると、ゲーム読み込みました!
どうやらドライブは生きているようです。
音も出てゲームもできたので動作確認は終わり。
次に、ゴムベルトの交換とカラカラしている物の調査にかかります。
まず左右両側に付いているカバーを外して、次に液晶の付いているトップを外します。
その際、トップにケーブルが数本繋がっているので切らないよう気をつけます。
外すとドライブが出てきます。
ドライブの蓋を外してトレイを全開に引き出すと、やっとゴムベルト周辺にアクセスできるようになりました。
周辺のギアにグリスがべったり余剰に付いているのできれいにしてから取り外します。
取り付け直したギアにグリスアップして、トレイの開閉動作不良は完了です。
続いてカラカラ音の調査をします。
音の原因を取り出してみると…
これはどこかのプラが割れていて、その欠片の様です。
探してみるとドライブの固定部のプラだと判明しました。
他にも割れている箇所がありました。
破損部分を補修して組み直し、そのまま動作確認していきます。
ディスクの読み込みは最初から出来てましたので、安心してゲーム起動まで確認出来ました。
これでQ(SL-GC10)の修理は完了です。
故障の原因はトレイ開閉のゴムベルトが劣化したことによる動作不良とCDドライブの固定部分が破損していたことによる動作不良のダブルでした。
後でちょっと調べてみると今回のQ(SL-GC10)のドライブは結構な高確率で破損している事がわかりました。
破損の程度もいろいろで、中にはプラ部分がバラバラになっていて修理不可レベルの物もあるみたいです。
今回の修理はケーブル類の抜き挿しに注意すること、そしてドライブを補修するときに現状以上、破損させないよう気をつけることです。
BEEPでは今回のQ(SL-GC10)をはじめ、レトロゲームハードの修理を受け付けていますので是非お気軽にご依頼ください。