先日になりますが長野県上田市のお客様より、出張買取にて約50本のFM-7(FM-8含む)のソフトをお譲り頂きました。
レトロPCの買取は長年見てきましたが、ここまでの状態と量、そして貴重なタイトルが揃うのは、かなり久々である印象です。
今回は画像を多めにし、お譲り頂いたゲームソフトをご紹介したいと思います。
情報の少ないベーシックシステムのソフト4本です。
熱海温泉アドベンチャーはこの中でも格段に珍しく、買取額も非常に高価でした。
起動すると「セツメイショ ヲ オヨミクタ゛サイ。」と出て丸投げになってしまうので、説明書をご紹介します。
ミンメイに似ている憧れの人気歌手ナツコ(恋人)、真犯人、刑事も全員熱海入りしている中、主人公は無実の罪を晴らす必要がある…といったストーリーです。説明書に記載がある通り、かなりヒントらしきものが盛り込まれています。
ゲームはFM-7/8とは思えないキャラグラで描かれますが、その分処理速度が速いので、サクサクと遊ぶ事ができます。最低ランクのレベルだとヒントを沢山貰えますので、熱海観光も兼ねてプレイするというのも悪くはないでしょう。
余談ですがプロシューマの高田馬場アドベンチャー、ルナ企画の京都ミステリーツアーなど、泡沫メーカーのご当地アドベンチャーに踏み込んだ企画が読んでみたいですね。
バンダイの版権物ゲーム2本です。仮面ライダーはRPG、マジンガーZはSLGとパソコンゲームらしい作りをしています。
それなりのグラフィックのタイトル画面ですが、ゲーム画面はこんな漢字の3D迷路です。本郷猛が仮面ライダーになるにはレベル3が必須条件と、先の長さをただただ感じる作りです。
ポーズが格好良いマジンガーZのタイトル画面。ゲームはよくあるSLGで、マジンガーZの部位にそれぞれダメージメーターがあるのが特徴です。破損箇所によっては必殺技が出ないと、面倒なシステムです。
両作品とも状態が非常に良いのでFM-7のマニア…というよりは、原作のファンの方にこそ持って頂きたいと思います。
貴重なエロゲーその1。
特に左2作は、パッケージ画面からいかがわしさが前面に出ており、アダルトゲーム=大人が遊ぶものという概念が伝わってきます。内容は本当に大したことないアドベンチャーゲームですが、エロゲーの歴史としてはかなり貴重かと思われます。
サタデーナイトin六本木はパッケージにでかでかと「日本で初めてのオリジナルアドベンチャーゲーム」とありますが、本当に本作がそうなのかは疑問です。
名前がシエラのアドベンチャーと同じミステリーハウスを「オリジナルでない」と言い切ったとしても、完全オリジナルのアドベンチャーザ・パームスが83年初頭にあるのでかなり信憑性は薄いと思われます。
貴重なエロゲーその2。
ストロベリーポルノシリーズであるナイトライフと団地妻の誘惑、そして版権物作品の卍と悪女かまきりです。ジャンル名がまだあやふやだった時代だったというのもありますが「女体アドベンチャーゲーム」「偽装!密室殺人ラブアドベンチャーゲーム」というのは最初で最後のジャンルでしょう。
マイナーどころだけでなくエニックス作品もお譲り頂きました。エニックス初期物は、紙箱という事でボロボロになりやすいのですが、ここまで綺麗というのは早々無いでしょう。槇村シリーズという事で、エルドラド伝記もあれば完璧な揃いでしょう。
コムパック作品が複数あった中でも、今回紹介したいのがこちらのホルホルです。画面構成やキャラクター、攻撃方法にタイトル…とディグダグの影響がモロわかりです。
今回貴重なのがFM-8版とFM-7版の両機種用があるという点ではないでしょうか。FM-7版はPSGに対応とかそういった違いかと思われますので、遊ぶなら7版の方がいいでしょう。
数多く出たCSKのタイトルでも、かなりの狂気を秘めているのがこの脱出妖気の樹海 涅槃の森でしょう。
「初めて霊の世界を取り上げたアドベンチャーゲーム」「このゲームは霊をテーマにしたものです。マスターテープは、神社で御祓いをしてもらいましたが、あなたが超常現象におそわれる可能性も否定できません。」といったテキストからも、並々ならぬものが伝わります。
そしてマニュアルの裏面には、これでもかといった超常現象が記載されています。ゲーム内容だけでなく、パッケージとマニュアルも「呪われたゲーム」という演出に一躍買っているのは、この当時珍しいと思います。
ゲーム自体はこの頃やたら発売されていたHOT・Bアドベンチャーもの(噴火サバイバルゲーム、CSK発売アダルト物)と同じ様な作りをしています。アドベンチャーというよりは画面クリア型言葉選択ゲームといった方が正しいかもしれません。
そして忘れてはいけないのがこの団地妻の誘惑です。なんとFM-7版はPC-88版とタイトル画面が違うのです。88版は下丸子の団地を見下ろすサラリーマンの絵でしたが、FM-7版は一仕事終えた主人公のイラストです。団地妻の目の描き方が戦闘メカザブングルっぽいのが時代です。
また今回お譲り頂いた団地妻はパッケージに上からシールが貼られ、マニュアルは銀色のペンや修正液で修正されていました。予想ではFM-7・8と書いてあったのが、8では動かないという事で急遽修正したのでしょう。初期ロット数がどの位かにもよりますが、こういった修正というのは本当に辛いので、人ごとであっても見ていて辛くなります。
これらお譲り頂いたFM-7用ソフトは順次店舗等で販売していく予定です。
またBEEPではFM-7シリーズの買取を常に強化中です。大量にあって送るのが面倒といった方には出張買取、少量で直ぐに買取をしたいという方には秋葉原店頭買取もございます。可能な限りお客様の希望に沿う形で買取を致しますのでお気兼ねなくご相談下さい。